

伝説のボルドーワインに合わす鳩肉の実力とは?
伝説の1961年シャトー・ラトゥールと小鳩のマリアージュ
ワイン界の巨人パーカーさんをして20世紀に於ける伝説的なボルドーの一つと称したのがシャトーラトゥールの1961年。
同じくパーカーポイントが100点をつけて並び称される1982年のラトゥールと一緒にテイスティングしても、20年以上先輩の61年の方がむしろフレッシュさもあり、艶めかしさがあるという不思議な結果に。
この結果をパーカーさんがごく初期の段階で見抜いていたのは本当に素晴らしいですね。
このような世紀のワインに合わせるメインディッシュはおそらくシェフを悩ませたはずですが、この日は動物界の高麗人参(本当かな?)とも呼ばれる小鳩が登場。
鳩肉が秘めるビタミンB2と味覚アンチエイジングの力
鳩はマリアージュだけでなく、医食同源的にも出色なのです。
というのも鳩には肝臓での脂質分解を助ける驚くべきほど多くのビタミンB2が含まれているから。
ワインをはじめとするアルコールは脂質分解を妨げるため、飲酒後にビタミンB2の必要量が増します。古くからフレンチや中華で鳩肉が重宝されているのにはこうした理由もあるような気がいたします。
また味覚障害の原因として亜鉛が有名ですが、ビタミンB2が不足しているタイプも少なくありません。
そういった意味では鳩肉はいつまでも美味しくお食事をいただくための味覚のアンチエイジングの観点からも最高と言えますね。
ピエールはワインの手ほどきをしてくれた先輩ドクターに10年前も同じワインをご馳走してもらいました。ワインを通してこの間にあったことを話しながら、時間の流れを感じられるのはこれ以上ない贅沢なことだなと思った一夜でした。
レストラン タニ 〜Restaurant Tani〜
東京都港区南青山3丁目2−6
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ