貝類の中でもアミノ酸がダントツな「ホッキ貝(北寄貝)」 ほっきがい
ホッキ貝は、正式には「ウバガイ(姥貝)」という名前で、マルスダレガイ目バカガイ科です。
北海道や東北地方でよく獲れることから、北に寄った貝という意味で「北寄貝(ほっきがい)」と呼ばれるようになりました。
ホッキ貝は1年で約1cm大きくなると言われ、寿命が長いもので約30年と長生きです。海水から取り出した後も1週間ほど生きるため、足が早いと言われる貝類の中では生命力が強い貝と言えます。
ホッキ貝の旬は12月から3月です。
栄養素
ホッキ貝は貝類の中でも旨み成分となるアミノ酸をたくさん含んでいるので、食べた時に甘味となって美味しく感じさせてくれます。
ホッキ貝に豊富に含まれているタウリンや旨み成分のグリシン、アラニンなどは肝機能や動脈硬化の改善、コレステロール減少、疲労回復など成人病予防に優れた効果があります。
高タンパクのため、血圧や血糖値が気になる人、ダイエット中の人、激しい運動をする人などにおすすめの食材です。
ビタミン・ミネラルではビタミンB12と鉄の成分が多く含まれています。
ホッキ貝の栄養成分(可食部1個(むき身)53gあたり)
・エネルギー・・・39kcal
・タンパク質・・・5.88g
・脂質・・・0.58g
・炭水化物・・・2.01g
・ビタミンA・・・3.71μg
・ビタミンE・・・0.74mg
・ビタミンB1・・・0.01mg
・ビタミンB2・・・0.08mg
・ナイアシン・・・1.01mg
・ビタミンB6・・・0.06mg
・ビタミンB12・・・25.18μg
・葉酸・・・23.85μg
・パントテン酸・・・0.11mg
・ビタミンC・・・1.06mg
・ナトリウム・・・132.5mg
・カリウム・・・137.8mg
・カルシウム・・・32.86mg
・マグネシウム・・・39.75mg
・リン・・・84.8mg
・鉄・・・2.33mg
・亜鉛・・・0.95mg
・銅・・・0.08mg
・マンガン・・・0.06mg
効能・効果
■タウリン
悪玉コレステロール、中性脂肪を減らして動脈硬化を予防します。 タウリンには血圧の上昇を抑える働きや、肝臓に働きかけ、コレステロール値を下げたり、肝細胞の再生を促し肝臓の機能を正常に戻す秋などがあるとされています。
■アラニン
アルコールの代謝を促進し、肝機能を保護する。脂肪燃焼の手助けもします。
■グリシン
血中コレステロール濃度の上昇を抑制し、高血圧や脳卒中を予防します。
■ビタミンB12
ホタテやカキなどほかの貝に比べても含有量が突出しています。
ヘモグロビンの形成を助けるため、女性やスポーツをする人にも重要な栄養素。脳からの神経伝達も正常に保ちます。野菜からは摂ることのできない貴重なビタミンです。
◆野菜からは摂れないビタミンB12がたっぷり
ホッキ貝にはビタミンB12が100g中47.5㎍も含まれており、魚介類の中ではトップクラスです。このビタミンB12は野菜や果物にはほとんど含まれていません。ビタミンB12は葉酸とともに赤血球中のヘモグロビン生成を助けたり、脳から神経伝達を正常に保つ働きもあり、欠乏すると赤血球の減少や悪性貧血などを引き起こす恐れがあるそうです。
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
ホッキ貝の砂だしは、アサリなどのように塩水に浸けるだけではなかなか抜けません。殻をむいたときに、砂を多く含む内臓(ウロ)を取り除き、水洗いすることで簡単に取り除けます。
殻つきのままなら冷蔵庫で1週間ほどは生きています。それ以上保存したければ、むいた身を軽く湯通ししてから氷水でしめ、ラップなどで包み、さらに保存用袋に入れて冷凍保存します。
ホッキ貝を湯通ししたときのゆで汁は、うま味たっぷりで美味しいので捨てずにみそ汁のだしなどに使うとよいでしょう。
新鮮なホッキ貝はお刺身などで楽しめますが、さっと火を通すことで甘みが増すホッキ貝はいろいろなレシピで楽しめます。
ホッキ貝には甘さやコクがあるので相性が良いバターと炒めたり、出汁が良く出るヒモや貝柱も一緒に炊き込みご飯や酢の物などにもよく合います。