ムール貝とかけてアスリートの健康と解く

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体内に鉄分をストックしてくれる「フェリチン」

モンサンミッシェル湾のムール貝は、毎年7月に解禁を迎える。
海産物として初めて、AOC(原産地統制呼称)を取得したこの地域の貝は小ぶりながらとろけるような食感と甘みのある味わいで、他の地域のものとは一線を画すとも言われているのです。

ムール貝に豊富な栄養素と言えば、なんと言っても鉄分
鉄は酵素を体内の隅々に届けるとても大事な栄養素ですが、日本は鉄欠乏大国とも言われており、女性を中心に鉄分の摂取量は不足してます。

知っておきたい「鉄」のこと

体内の鉄は機能鉄と貯蔵鉄に分類されます。
機能鉄は体内に取り込まれた酸素を全身に運ぶ大切な働きをし、貯蔵鉄は体内に鉄分をストックする役割があります。
つまり機能鉄は酸素運搬の機能や酵素機能を果たし、貯蔵鉄は鉄の貯蔵や運搬の役割を果たします。

機能鉄は体内の鉄の約70%を占め、そのほとんどがヘモグロビンとして赤血球に存在し、残りの30%は貯蔵鉄と呼ばれ鉄含有酵素やミオグロビンに存在します。
貯蔵鉄はフェリチンやヘモジデリンとして肝臓や脾臓、骨髄、筋肉などにタンパク質の一種として存在します。
機能鉄が不足した場合、貯蔵鉄が血液中に放出され機能鉄として働きます。

食品から摂取された鉄は小腸で吸収されますが、吸収率はあまり良くありません。一日1~1.5mgとごくわずかで食品から摂取した鉄の大部分は糞中にそのまま排出されると言われています。

食品に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄に分類されます。
ヘムとはポルフィリンと呼ばれるタンパク質の中心に含まれている鉄の化合物で、この中心にある鉄がヘム鉄です。
それ以外のタンパク質に囲まれていない鉄を非ヘム鉄と言います。

この二つは吸収力の高さが大きく異なります。
摂取した鉄分のうちヘム鉄は10%~20%吸収され、非ヘム鉄は1%~6%吸収されます。

ヘム鉄は吸収されやすく、非ヘム鉄は吸収されにくいことがわかりますね。
また、ヘム鉄は非ヘム鉄に比べへの刺激が少ないことで知られています。

鉄は体内で繰り返し利用されますが、女性の場合月経の際に体外に排出されてしまうため男性より鉄を多く摂取する必要があります。
鉄の吸収をより良くするにはビタミンCタンパク質と一緒に摂取すると効果的です。
それとは反対にふすまやフィチン酸、ポリフェノールなどは非ヘム鉄の吸収を阻害するため、貧血を予防、改善したい方はその摂取量などには注意が必要と言えます。

貯蔵鉄(フェリチン)の不足は貧血だけでなく、肥満や冷え症、頭痛などの症状にもつながります。
さらに鉄不足を放置しておくと、慢性疲労や気分の落ち込みが続き、うつ病にもつながりかねないので要注意!

 

 

貧血の救世主

女性だけでなく、心肺機能をあげたいアスリートにも鉄は欠かせない要素。
夏は汗で鉄分の流出がさらに増えるので、一流選手たちもきっと鉄不足に注意をしているはず。

病気のレベルになるほど鉄が足りない場合は、食べ物だけでなくサプリメントでの補充もおすすめしたいところですが、これまでの鉄剤やサプリメントは胃もたれやムカつきなどの副作用で内服出来ない方も少なくない。

ましてや鉄分を食事だけで補うのは、実はとても難しい話。生のホウレン草を15~20株ほど食べなければならない。

そんな方の救世主として今大注目を浴びているのが、「フェインジェクト」。
1〜2回の点滴で、約2~6週間かけてフェリチンをアップさせくれます。
即効性があるのが特徴で、鉄不足による不調が目に見えて調子が良くことも。

このことが気になる方は渋谷セントラルクリニックをチェックなさってみてください。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ 

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