牛タンがダイエットに向いている理由は?

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肥満防止に “4つのビタミンB”

牛タンはカルビの半分と低カロリーなうえに糖質や脂質をエネルギーに変える栄養素を含んでいます。
といっても赤身よりはカロリーも多いのですが、ダイエット中のDr.ピエールが好んで牛タンを食べるのには理由があります。

というのも、牛タンには肥満防止に効果的な “4つのビタミンB” が豊富に含まれているから。
それは、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、脂質を燃焼するのに必要なビタミンB2ビタミンB3とも言われる「ナイアシン」。
特にビタミンB2とナイアシンは他の牛肉の部位と比べて非常に含有量が多いのが特徴です。

さらに牛タンに含まれるかつてビタミンB5とも呼ばれたパントテン酸は糖質や脂質をエネルギーに変える酵素をサポートをする働きがあり、その含有量はサーロインの約2.5倍もあります!すごいですね。

ビタミンについて

さて、知っているようで知らないビタミンについてのちょっとしたお話です。

ビタミンは、三大栄養素である「糖質脂質タンパク質」の代謝を助け、生命を維持するための生理作用に不可欠な有機化合物です。体内ではほとんど生合成ができないため食品などから栄養素として摂取することが必要です。

ビタミンの多くは、消化・吸収・燃焼・排泄とよばれる反応がスムーズに働くようにサポートする補酵素(ほこうそ)として働きます。
補酵素とは、酵素が活性を発揮するための補助剤のことで、自動車を動かすエンジンの潤滑油のような役割を果たしています。その他にも、ビタミンは、皮膚などの粘膜や、血管、骨などの健康を保ち、新陳代謝を助ける働きをします。

ビタミンには水に溶けない「脂溶性ビタミン」と水に溶ける「水溶性ビタミン」の2種類に大きく分けられます。
水溶性ビタミンには、ビタミンB群とCがあり、牛タンにはビタミンB群が多く含まれているわけです。
水溶性ビタミンは、体内で水に溶けた状態で存在します。非常に水に溶けやすく代謝速度が速いため、体内に貯蔵できる日数が脂溶性ビタミンに比べて少なく、尿中に排泄されるので過剰症は起こりません。その代わり、不足しないようにこまめに摂取することが必要です。

このようなことから牛タンを食べるとサプリのようにビタミンの四重奏が期待できるというわけ。

牛タンにすだち

今回のは付け合わせはすだち。
すだちの果皮に含まれているポリフェノールの一種「スダチチン」は脂質の代謝を改善し体重増加を抑制する効果があると言われているので、皮ごとギュッと搾っていただきました。

すだちの果汁にはビタミンCカリウムレモンよりも多く含まれており、美肌や疲労回復に嬉しい食材ですが、実は果皮の方にはビタミンAが豊富に含まれているのです。
そのうえ脂肪を代謝する働きを持つポリフェノールの一種も含まれており、これは他のどの柑橘にも無い成分。
残留農薬の問題もありますので、無農薬のものが手に入った際には是非、皮をすり下ろして薬味にしたり、ご飯に混ぜたりと無駄なく使ってみましょう!

焼肉屋さんでレモンを絞るのとまた違う上品な風味は格別なので、是非皆さまにもお試しいただきたいです。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ 

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