胃腸を強くする「たまねぎ」 たまねぎ
たまねぎはインド原産の食材で、日本には江戸時代に長崎に伝わりました。当時は観賞されたのみで、食べるようになったのは明治以降です。
たまねぎの旬は、品種や産地に幅があるため、ほぼ一年中が旬といえるでしょう。「新たまねぎ」の旬は春です。
栄養素
たまねぎは野菜の中で糖質が多く、体内に入るとエネルギー源となって働きます。たまねぎの甘みは加熱することによって引き出され、煮物料理やカレー等のベースの甘み付けによく利用されます。 また、たまねぎにはカリウムが豊富に含まれていますので、むくみを和らげる効果があります。色素成分のケルセチンは、ポリフェノールのなかのフラボノイドの一種で、高い抗酸化作用があり、血圧降下の効果もあります。
たまねぎの辛みには、アリシンという成分が含まれています。アリシンはビタミンB1の吸収を高め新陳代謝を促します。また強い殺菌作用があり、生ものの薬味やツマとして使われるのは風味だけでなく食中毒の予防という観点からも非常に理にかなったものと言えます。
たまねぎの主な栄養成分
・エネルギー 37Kcal
・糖質 8.8g
・カリウム 160mg
・ビタミンB1 0.03mg
・ビタミンC 8mg
・食物繊維 1.6g
効能・効果
血栓の予防やコレステロールの代謝促進、高血圧、脳梗塞などの成人病予防が期待できます。冷え性にも効果的です。
ケルセチンの成分の高い抗酸化作用によって、活性酸素を抑制して細胞の老化を予防、新陳代謝を促すことで、身体を若々しく保つアンチエイジング効果があります。
たまねぎに含まれるアリシンは、疲労回復に効果的な上、胃の消化液の分泌も活発にして胃腸を強化してくれます。アリシンも抗酸化の働きが強く、高い殺菌力があるため風邪予防や食中毒の予防に効果的です。
含有量はあまり高くないのですが、たまねぎには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれており、野菜の中ではオリゴ糖の含有量も豊富なため、便秘予防が期待できます。
さらにたまねぎのケルセチンが脂質と結合しやすいため、腸内の脂肪と結びついて、そのまま体外に排泄させてくれるので、デトックスにも効果的です。
東洋医学的側面
・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)
・臓腑:肺、胃、肝
・五味:生:辛(発散、気を巡らせる作用)・加熱:甘(補い滋養する作用)
・毒性:なし
痰の除去
解毒・殺菌
血圧を下げる
安眠効果
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
たまねぎは、表面の皮がしっかりと乾燥しているものを選びましょう。芽や根が伸びはじめているものは、その分だけ内側の養分が失われています。保存するときは、冷蔵庫ではなく風通しのよい冷暗所がベストです。ただし新玉ねぎは水分が多く、傷みやすいので冷蔵庫の野菜室に保存するとよいでしょう。
たまねぎに含まれるカリウムやアリシン、ビタミンCなどを余すところなく摂取したいなら、生で摂るのが最も効果的です。辛みを軽減するために水にさらしてしまうと、アリシンやカリウムなどが流れ出してしまいますので、あまり長く水に浸けないようにしましょう。アリシンをうまく摂取するためには、加熱する場合に短時間で調理することがお勧めです。
栄養面では加熱時間は短いほうがよいですが、じっくりと加熱して甘みを引き出すのも玉ねぎのおいしさのひとつです。砂糖などを加えず、自然な甘みを活かす低カロリー食作りには、じっくり炒めのたまねぎも役に立ちます。