鱧の旬は1年に2度存在する?

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主に関西で珍重され、京都の夏を印象付ける魚です。

そのため鱧の旬は梅雨明けの初夏の頃かと思いますが、実はもう1つ晩秋の時期にも旬があります。

正しくはどの時期が旬というのか諸説ありますが、一般的には関西を中心に1年を通じて食される魚です。1回目の旬である初夏の鱧、一方、2回目の旬である晩秋の鱧。2度目の旬を迎えた鱧は「落ち鱧」と呼ばれて区別されることもあります。

この味わいの違いは鱧の産卵の時期に関係しているといわれています。鱧は8月に産卵期を迎えますので産卵のために栄養を蓄えた初夏が1度目の旬となります。その後産卵により鱧は痩せて風味が落ちてしまいますが、産卵後は夏頃からまた再び栄養を蓄え冬を迎える準備を始めます。秋になるころにはしっかり脂が乗り、奥深い味わいを楽しめるようになります。これが2度目の旬となります。

初夏の鱧料理の代表としては、京都の夏を涼しげに彩るイメージの「鱧のおとし」があります。湯引きで数ミリ間隔の骨切りした鱧をさっと熱湯に通し氷水で締めたもので、梅肉醤油やからし酢味噌をつけていただきます。真っ白な美しい鱧の涼し気な姿と上品な味わいは夏の涼にぴったりです。

 

また、晩秋の鱧料理では、濃厚な脂の乗った味わいを楽しむことができます。豊かな味覚が登場する秋の食材の中でも、とりわけ鱧と松茸との相性は抜群によいとされています。中でも両者の味わいをしっかりと引き立てるの「松茸の土瓶蒸し」。土瓶蒸しに入れられる鱧は絶品と讃えられます。

国産物では西日本各地、中でも和歌山県、徳島県、愛媛県、山口県、長崎県などから出荷されています。韓国、中国からの輸入もされており、国産物より手ごろな値段で見かけます。

淡泊ながら旨味の深い鱧は栄養価が高い点でも期待されています。ビタミンAを豊富に含んでいますので、夏バテ防止や貧血予防、眼精疲労回復、風邪予防などの効果が期待できます。小骨が豊富に多いためカルシウムが多く、ストレス解消にもつながります。縁側には、皮膚の老化防止効果のあるコンドロイチンが多く含まれていますので美肌の効果が期待されます。栄養が豊富で、アンチエイジングや健康維持に役立つ食材のひとつとなります。

鱧の栄養素などさらに詳しくなりたい方はイシペディアの「鱧の栄養素分析」をご覧ください。

 

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