薬用魚である鯉を食べて成長ホルモンがアップする秋
鯉の薬食同源効果
鯉を食べたのは本当に久しぶり。
鯉は淡水魚独特の臭みがあるため、温水で洗って冷水でしめる「鯉の洗い」にしていただきます。この日は鯉だけでなく大根のかいわれ、とんぶり、のびる、ウドの花に四角豆という山の恵みで彩られていて、お皿からは山の持つエネルギーが溢れ出ていて見るだけで元気に。
実際に古くから鯉は赤ちゃんにお乳が出せなかった母親、胃潰瘍や肝臓の病気の人の薬のような位置付けで食べられてきたお魚!これらの病気や症状は現代に至るまで長い間特効薬のない時代が続いていたので、昔の人にはなおさら有り難みがあったのでしょうね。
免疫栄養学的に見ると鯉にはビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、ルテイン、亜鉛といった若返り栄養成分が目白押しですが、ピエールは鯉の肉に含まれるアミノ酸がなんといってもいけていると思う。
薬用魚と言われる理由
鯉に含まれるタウリンには強肝作用があり、肝臓の修復や二日酔いに役立つだけでなく、肝機能アップによってむくみを改善させます。また、アルギニンが成長ホルモンの分泌を助けることによって、疲れた身体の再生や免疫力をアップさせてくれることからお魚の中で最も薬効が高いとされ「薬用魚」と呼ばれたのだと思います。
その他にも鯉の効能・効果には
- ルテインや目に潤いを与えるヒアルロン酸、DHA,コンドロイチン硫酸が豊富に含まれており、目の疲れを取るなどの効果
- 産後の貧血状態を防ぎ、母乳の出も良くする効能
- 鯉を食べると胃腸を滋養し、食欲がわき、胃炎を治します
東洋医学でも胃腸を滋養する、乳汁分泌促進、利尿、黄疸を解消と言われています。
・寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
・臓腑:脾・胃
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:無毒
ピエールもコリッとする食感と艶かしいアミノ酸の味を秋の山菜と食べたことで山の鋭気を身体に取り入れ若返ったはず。
草喰 なかひがし
京都府京都市左京区浄土寺石橋町32−3
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ