【インスリン抵抗性の原因は腸内環境】

Dr.大友 (イシペディア編集長)　
血液中のインスリンの濃度が上がってしまうとダイエットのためにも老化を防ぐためにも良くないと言うことでした。

Dr.河村（渋谷セントラルクリニック院長）
その通りですね。

Dr.大友
そしてインスリンの濃度は過度に上がってしまう原因としてインスリン抵抗性があると言うのが前回までの話でした。ところでインスリン抵抗性ってどうして引き起こるんですか?

Dr.河村
それはとっても難しい問題なのですが、無理矢理大きく分けると腸内環境とミネラル（マグネシウム）不足が原因とされています。

Dr.大友
腸内環境とミネラルですか。

Dr.河村
腸内環境を悪くする可能性という観点からはお酒の飲み過ぎ、コーヒーの摂りすぎは要注意ですね。

Dr.大友
食べ物では無いですが、タバコなんかはどうですか?

Dr.河村
ニコチンの取りすぎもインスリン抵抗性を引き起こすと考えられています。

Dr.大友
ところでお酒やコーヒーはどのようなことを原因としてインスリン抵抗性になってしまうのでしょうか？

Dr.河村
お酒やコーヒーを取りすぎることによって腸からエンドトキシンが発生するからです。医学用語ではLPSといいます。このLPSが体内に炎症を引き起こすことによってインスリン抵抗性をもたらします。

Dr.大友
お酒やコーヒー以外にもLPSを発生する食べ物ありますか?

Dr.河村
人によってそれぞれですが、グルテンや乳糖を分解できない人、FODMAPに含まれる食材に反応してしまう人では結果としてLPSが発生する可能性があります。

Dr.大友
医学界では賛否の分かれるところではありますが、食べ物の腸への過敏性が1つの要因と考えてよいですか? 

Dr.河村
私はそのように考えています。食べ物の腸への過敏性だけで全てが解決するとは思いませんが、1つの要因になっている可能性は高いと思います。全ての病気はいろいろなことが原因で複合的に病気が生じます。

Dr.大友
そういった場合にはどんな検査をなさいますか?

Dr.河村
採血で食べ物の免疫に与える影響を調べる検査です。IgG,IgA検査、遅発性アレルギー検査と呼ばれることもあります。

Dr.大友
私たちのクリニックでも特に要望の多い検査ですね。それ以外にはどんなことが原因となりますか?

Dr.河村
やはり腸内フローラの量が1つの要因となります。

Dr.大友
広告を見ない日がないですものね、腸内環境整えるヨーグルトとか。

Dr.河村
腸内フローラが悪化することによってミトコンドリア由来の酸化ストレスが生じます。結果として慢性炎症が引いて起こることになり、ひいてはインスリン抵抗性を引き起こすことになってしまいます。

Dr.大友
酸化ストレスがダメだから、タバコもダメだったわけですね。

Dr.河村
その通りです。

Dr.大友
次回はミネラル不足とインスリン抵抗性の関係についてお伺いしたいと思います。