

ピエール的おせちのような一品
美味しさと栄養が重なる冬の一皿
過日、元麻布「かんだ」でいただいた「あん肝&パン」の素晴らしい一品に感動しました。
神田さんのあん肝と銀座エスキスの成田さんが手掛けたパンの組み合わせは絶妙でしたが、自宅で再現するには目標が高すぎるため、ピエール流にアレンジしてチャレンジしました。そこで選んだのが、パンの代わりに金時人参を使うことにしました。
というのもニンジンにたっぷりと含まれているβカロテンは、抗がん作用や免疫アップ効果が期待できるから。
ちなみに色が濃く、鮮やかなニンジンは、βカロテンを豊富に含んでいます。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、粘膜や呼吸器系を強化し、免疫力アップや感染症予防に役立ちます。また、ビタミンAは肌や髪の健康にも欠かせない栄養素です。
それだけでなく年末の暴飲暴食で弱った身体のデトックスにもニンジンは力を発揮します。
カリウムは、体内にある余分な塩分を排出させる働きがあるためむくみの解消に役立ちますし、食物繊維は便秘の解消に役立ち、腸内フローラが活性化しやすい腸内環境を整えてくれます。
金時人参とあん肝の栄養で魅せるアレンジ
また、あん肝にもビタミンAが豊富。それだけではなく、ビタミンDも多いので免疫力アップには欠かせません。冬に入って免疫力が落ちている事の1つには、ビタミンDの低下が間違いなく関わっています。
そういう意味ではビタミンAとビタミンDが揃い踏みのこのお料理は、今のご時世にぴったりなのかもしれません。
今回の調理では、人参を皮付きのまま使用しました。というのも外側の固い部分にはグルタミン酸やβカロテンが豊富だからです。
また、皮付きのままアボガドオイルと赤ワインで低温で蒸し焼きにして仕上げました。味のエッセンスは国産の赤山椒です!
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ