すりおろして胃もたれ解消「大根」 だいこん
「大根どきの医者いらず」ということわざにある通り、大根は昔から体に良い食材とされています。日本人にはなじみが深く、消化を助け、胃酸過多や胃もたれ胸やけを防ぐ効果があります。
晩秋から冬が旬の食材です。
栄養素
大根にはデンプン分解酵素(ジアスターゼ)が豊富に含まれていますが、デンプンに大根の汁が混ざると分解されて糖に変化します。大根もちは甘いですが、この作用を利用した料理です。
大根の辛味は、抗菌作用や発がん抑制作用で知られる物質が関係しています。「ラファサチン」という芥子油成分(イソチオシアネート)の一種で、大根をおろすとグルコラファサチンは酸素に触れて分解されて生成されます。
大根は緑黄色野菜であり葉の部分にβ-カロテン、カルシウム、カリウム、ビタミンCやビタミンEを豊富に含んでいます。
大根の栄養成分
・ 食物繊維・・・・1.4 g
・ カリウム・・・・・230mg
・ カルシウム・・・・24mg
・ ビタミンE・・・・・3.8mg(葉)
・ ビタミンC・・・・・50mg
・ ビタミンB2・・・・・0.16mg
・ β-カロテン・・・・・3900μg
効能・効果
消化を助ける:大根の根には、ジアスターゼ(デンプンの消化酵素)が多く含まれ、食物の消化を助けます。
グリコシダーゼなどの酵素には腸の働き整える作用があります。
東洋医学的側面
・ 寒熱:涼 (穏やかに体の熱を冷ます)
・ 昇降・収散・潤燥:生:昇 (気や熱を上昇させる)、加熱:降(気を降ろす)
・ 臓腑:脾、胃、肺、三焦
・ 五味:生:辛(発散、気を巡らせる作用)、加熱:甘(補い滋養する作用)
・ 毒性:なし
大根は生で食すると気を高めて、加熱すると気を下げると言われます。
下気和中…全身の気のめぐりを良くして、胃腸の働きを整えます。
解毒…全身の毒素を排泄させます。
除風寒…寒い気からの風邪を治癒します。
化痰消食散結…消化を促し、痰の出を改善します。
寛胸利膈…胸の詰まりや、呼吸しにくい感じを改善します。
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
保存する際には、葉つき大根の場合は、根の部分と葉の部分を切り離し、分けて保存するようにします。根と葉を分けないと、水分が葉の部分から蒸発していき、全体の水分が失われやすくなりますので注意します。
デンプンの分解酵素であるアミラーゼの作用を消さないためには、皮付きのまま大根をおろして絡める食べ方が良いでしょう。