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腸内の発がん物質を吸着する「ごぼう(牛蒡)」 ごぼう

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ごぼうは、キク科の野菜で、肥大した根を食用とします。
ごぼうの旬は11月~2月と、新ごぼうが4月~6月に出回ります。

日本では、食物繊維が豊富だと言うことでおなじみの食材ですが、食用にしているのは日本と韓国など一部の国に限られています。
中国などでは薬草として使われており、日本にはその中国から薬草として伝わりました。

栄養素

ごぼうには、クロロゲン酸(ポリフェノール)が豊富に含まれており、クロロゲン酸には抗酸化作用があります。
ごぼうはアクが強く、空気に触れると変色するので、切ったらすぐに水にさらす事が必要ですが、あまり長く水にさらすとクロロゲン酸が失われてしまいますので、“皮をむかない” “水にさらす時間を短く直ぐに調理” “切り口は大きく”がよいでしょう。

食物繊維(リグニン)の量も多く100g中5.7グラムも含まれており、野菜の中でも群を抜いています。皮にも沢山含まれているので、皮は出来るだけ剥かずに、包丁の背でこそげとるのがおすすめです。
ごぼうの食物繊維(リグニン)は、水に溶けにくい食物繊維と、水に溶けやすい食物繊維(イヌリン)の両方を含んでいます。

 

ごぼうの栄養成分(可食部100gあたり)

エネルギー・・・・65㎉
炭水化物・・・・・15.4g
たんぱく質・・・・・・・1.8g
脂質・・・・・・・・・0.1g
カルシウム・・・・46㎎
・・・・・・・・・0.7㎎
ビタミンE・・・・・0.6㎎
ビタミンB1・・・・0.05㎎
ビタミンB2・・・・0.04㎎
食物繊維・・・・・5.7g(水溶性食物繊維2.3g不溶性食物繊維3.4g)

効能・効果

ごぼうには食物繊維(水溶性食物繊維と不溶性食物繊維)が豊富に含まれており、便秘の解消はもちろんのことですが、不溶性食物繊維の“リグニン”は腸内の発がん物質を吸着し大腸がんを予防する効果があるといわれています。

水溶性食物繊維に含まれる”イヌリン“は、炭水化物の一種で、特にごぼうにはたくさん含まれています。このイヌリンは血糖値の改善や、整腸効果があります。

強い抗菌力と抗酸化作用があり、風邪の予防や老化予防などの効果も期待できます。

東洋医学的側面

寒熱:寒(体の熱を冷ます)
昇降・収散・潤燥:降(気を降ろす)・散(気を体の外へ出す作用)
臓腑:肺、胃、肺
五味:辛(発散、気を巡らせる作用)・苦(気を降ろす、固める作用)
毒性:なし

ごぼうの種子である牛蒡子を漢方薬では使用しますが解熱や解毒などの作用があり、風邪薬や皮膚病などの漢方処方に取り入れられています。

栄養素を上手に取るための保存方法と調理方法

ごぼうの保存には、洗わずに土が付いたままで新聞紙などにくるみ、袋に入れて涼しい冷暗所または冷蔵庫に入れて保存しますが、時が経つと風味が落ちてきますので早めに食べることをおすすめします。また、新ごぼうは風味が落ちやすいので、ラップなどで密封して冷蔵して下さい。

ごぼうは、皮の付近に栄養素が含まれているので出来るだけ皮ごと調理して下さい。
ごぼうはアクが強く、切った途端に茶色に変色しタンニン鉄になります。こうなるとエグミが出てまずくなりますので、切ったらすぐに調理して下さい。

料理は定番の“きんぴらごぼう”や煮物、鍋物、ゴボウチップスなども香りや歯触りが良く食物繊維も沢山取ることが出来ます。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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