風邪をひいたら首に巻こう「ネギ」 ねぎ
ネギは、中国西部や中央アジアを原産とし、日本では古くから薬味として用いられている食材の一つです。特に白い部分は生薬として用いられてきました。
現在は一年を通していつでも手に入れることができるネギですが、比較的寒い高地が原産のため、日本では冬が旬にあたります。
栄養素
ネギには大きく分けると、根深ネギ(根元の白い部分を食べる)と葉ネギ(緑の葉の部分を食べる)種類に分けられます。
ネギの白い部分にはビタミンCが多く含まれ、緑の葉の部分にはビタミンCに加えてβ―カロテンやカルシウムが豊富に含まれています。
ネギ独特の香りを発生させる“硫化アリル”には、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあり、ネギの辛み成分には身体を温める効果もあります。
ネギの主な栄養成分(可食部100gあたり)
●根深ネギ
・炭水化物………………7.2g
・カルシウム……………31㎎
・鉄……………………0.2㎎
・ビタミンA・カロテン…14㎍
・ビタミンA・レチノール…2㎍
・ビタミンE……………0.1㎎
・ビタミンB1…………0.04㎎
・ビタミンB2…………0.04㎎
・ビタミンC……………11㎎
・食物繊維……………2.2g
●葉ネギ
・蛋白質……………………7.0
・カルシウム………………54㎎
・鉄…………………………0.7㎎
・ビタミンA・カロテン……1900㎍
・ビタミンA・レチノール…310㎍
・ビタミンE………………0.9㎎
・ビタミンB1……………0.05㎎
・ビタミンB2……………0.09㎎
・ビタミンC………………31㎎
・食物繊維………………2.9g
効果・効能
免疫力アップ・疲労回復:硫化アリルには、殺菌作用や鎮静作用があります。加えて免疫力アップや疲労回復の効果も期待されます。また、硫化アリルは揮発性物質で、風邪の初期症状に刻んだネギを首に巻いて安静にすると、ネギから出る硫化アリルを吸入することが出来、喉の痛みなどの軽減に効果があります。
抗酸化作用:β―カロテンには抗酸化作用があり、青ネギや根深ネギの青い部分にもβ―カロテンが多く含まれています。
皮膚や粘膜の生成:ビタミンAは皮膚や粘膜の生成には欠かせない成分です。
東洋医学的側面
・寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)・温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)・散(気を体の外へ出す作用)
・臓腑:肺、脾、胃
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)
・毒性:なし
風邪症状の緩和や冷え症、低血圧の改善
肩こりの改善にも
栄養素を上手に取るための保存方法と調理方法
根深ネギの保存は新聞紙でくるみ冷暗所に立てて置いて保存して下さい。土が付いたままのものは、そのまま土に埋めておくと(白い部分に日光を当てない)さらに長持ちします。使いかけのネギは、白い部分と緑の部分に分けてラップなどで包み、冷蔵庫(野菜室)に入れて保存して下さい。
葉ネギは湿らせた新聞紙などでくるみ、冷蔵庫(野菜室)に入れて保存して下さい。また、根深ネギも葉ネギも小口切りにして冷凍しておくと1カ月位もち、直ぐに使えて便利です。
ネギに含まれるβ―カロテンは、加熱に強く炒め物や揚げ物にしても大丈夫ですが、一方ビタミンB・ビタミンC・ビタミンEなどは、水溶性で加熱時に壊れやすいので、両方摂取したい場合は生のまま刻んで薬味とするか、または煮る場合にはさっと火を通すように最後に入れるのが望ましいです。