イシペディア > 食事学と医療の大辞典 > 食材の大事典 > 香辛料の栄養素分析 > 脳を活性化するなら、スパイスの女王「カルダモン」

脳を活性化するなら、スパイスの女王「カルダモン」 かるだもん

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

カルダモンはショウガ科の多年草で香辛料のひとつです。ほのかな苦味と辛味、爽やかな香りを持ち、その上品で高貴な香りから「スパイスの女王」と呼ばれ、古くから親しまれてきました。

カルダモンは9~10月頃に果実が熟します。完熟直前の実を収穫して乾燥させ、中の種子を取り出してスパイスとして利用します。

栄養素

カルダモンの主成分であるテルピニルアセテートには、胃腸の機能を高める働きがあります。 胆汁の分泌を促進し消化を助けたり、腸のガスの排出を促してお腹の張りを軽減したりなど、胃腸のトラブルを防いでくれます。 また、胃酸の過剰分泌を抑えてくれるので、胃のむかつきや胃もたれなどの症状緩和にも効果が期待できるでしょう。

カルダモンの主な栄養成分(可食部100gあたり)

・311kcal  (小さじ1杯(2g)約6 kcal)
タンパク質・・・・・・10.76g
脂質・・・・・・6.7g
・飽和脂肪・・・・・・0.68
・多価不飽和脂肪・・・・・・0.43g
・一価不飽和脂肪・・・・・・0.87g
炭水化物・・・・・・68.47g
食物繊維・・・・・・28g
ナトリウム・・・・・・18mg
カリウム・・・・・・1119mg

効能・効果

お腹の調子を整える
カルダモンは唾液や胃液の分泌を促すことで消化も促進するため、食欲不振や消化不良・胃の痙攣や、お腹のガスによるハリや痛みを抑える働きをし、胃腸トラブルの改善に役立ちます。更に、気持ちを落ち着かせる働きの成分も含まれているため、胃痛や吐き気・腹痛・過敏性腸症候群などのストレス性の胃腸トラブルの改善にも有効です。

消化器官・呼吸器官の不調の改善
カルダモンの主成分テルピニルアセテートが、胆汁の分泌を促し消化を助けます。胃もたれやお腹の張りを改善するほか、腸内にたまったガスを取り除くなど、胃腸トラブルの改善が期待できます。呼吸器官の不調に対しても効果があるといわれ、咳や痰を抑える働きもあります。

口臭予防
カルダモンにはシネオールという香り成分に抗菌作用があり、口臭だけでなく汗や体臭まで抑えてくれるデオドラント効果が期待できます。また、ハーブティーとして飲むのも口臭の予防にもなり、消化も早めてくれるのでオススメです。

発汗作用
カルダモンには、血の巡りをよくし、体を温める作用があります。発汗により体温を下げる作用で、風邪の引きはじめにも効果的です。

疲労回復・リラックス効果
カルダモンには、自律神経のバランスを整える酢酸リナリルや、血圧降下作用のあるリナロールなどの香り成分が含まれるため、心身をリラックスさせる効果が期待できます。
また、香り成分シオネールには精神を安定させる作用があり、緊張した体を緩めて、疲労を回復させる効果も見込めます。

集中力アップ
カルダモンを摂取すると脳の血流がアップするといわれています。それにより脳が活性化され集中力が上がるとされています。また、カルダモンの香りにも集中力を上げる作用があるので、コーヒーや紅茶など飲み物に入れて摂るといいでしょう。

東洋医学的側面

・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)
・臓腑:脾、胃
・毒性:なし

体の余分な水分を取り除く
気の巡りを促進する
咳・喘息、胸のふさがり、胸脇部の脹れ、疼痛・溜息、胃もたれ、お腹の張り
脾胃を温める

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

カルダモンはホールタイプとパウダータイプがあります。パウダータイプはホールのカルダモンを粉末状にした製品です。それぞれ使い方が異なるため、料理に合わせて使い分けると良いでしょう。

カルダモンに含まれる成分は油に溶け出しやすい性質を持っているので、油で炒めるのがおすすめです。それにより、より香りを引き出せます。

妊娠中や高血圧の人の過剰摂取は避けた方が良いでしょう。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

この記事を書いた人

関連するカテゴリ

おすすめ記事

関連する記事はこちら