精力をつけたいなら…!上海蟹祭り

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

上海蟹の魅力と健康効果

今年初めての上海蟹は、友人に予約を取っていただき、ミシュラン三つ星中華の「茶禅華」へ。

ジャングルの中の手羽先上海だけでなく、大変立派で美味しい上海蟹尽くしのメニューを楽しみました。

中国を仕事で訪れた時に驚いたのは「上海蟹が高級食材として認識されるようになったのは最近」と教えていただいたこと。
どちらかというと、古代や中世では皇帝や貴族が免疫力や体力を高め、精力を増強する効果があることを目指して食べていた健康食材だったそうです。

上海蟹(特に雄蟹)は東洋医学的には「精力を高める食材」とされていますが、中国医学では「精」が体の活力源と考えら、これが不足すると体調不良や精力低下が起こるとされています。

現代医学の観点からは、上海蟹は亜鉛を豊富に含み、亜鉛は男性の性ホルモン(テストステロン)の合成をサポートし、精子の健康にも寄与します。
これが「精がつく」という言い伝えにつながったと考えられます。

デトックス効果とグルタチオン

こんなに元気になれる上海蟹ですが、高価であることに加え、中国の有害金属汚染が深刻であるため、頻繁には食べられません。

しかし、中国料理では多くの場合知らず知らずのうちにデトックスされているのかもとも考えます。
それは、ニンニク玉ねぎにデトックス効果があるからです。
にんにくや玉ねぎに含まれる硫黄はグルタチオンという抗酸化物質を生成し、鉛や水銀などの有害金属を排出します。ちなみに、硫黄は卵やブロッコリーにも多く含まれています。

心配性な私は翌日にグルタチオンをいつもより余分に摂取しました。

ところで、日本ではグルタチオンという薬が手に入らなくなっています。まだそこまで知られていませんが、他にも多くの薬剤が手に入らなくなっている日本。
今後の医療はどうなってくるのかがとても心配です。

茶禅華
東京都港区南麻布4-7-5

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ  

この記事を書いた人

関連するカテゴリ

関連する記事はこちら