旬のホタルイカと健康効果

日本には、「初物を食べると寿命が75日延びる」という言い伝えがあります。

科学的な裏付けがあるわけではありません。
それでもこの言葉には、季節の巡りとともに生きてきた日本人の、身体感覚としての真理が込められているように思えます。

そういった意味では、3月1日に解禁されたばかりのホタルイカは、まさに今が旬の「初物」です。
このホタルイカを使った美味しい土鍋ご飯を味わえば、75日どころか、もっと長生きできるのではないかと期待してしまいます。

その理由は、味わいだけではありません。
なぜなら、ホタルイカにはビタミンAとビタミンEが豊富に含まれており、特にビタミンAの含有量はトップクラスを誇るからです。

意外と知られていませんが、日本人はビタミンAが不足しがち。
ビタミンAは細胞を再生するために必要不可欠な栄養素で、肌や粘膜の再生を助け、身体の免疫力を高める効果も期待できます。

体をいたわる一皿

そう考えると、ホタルイカの土鍋ご飯は、単なる旬のごちそうではありません。

つまり、ドライアイや肌荒れで悩んでいる人、インフルエンザやウイルス対策をしたい人にとって、このホタルイカの土鍋ご飯は、体をいたわる最適な一皿と言えるでしょう。

旬の食材を味わうことは、贅沢であると同時に、とても理にかなった行為でもあります。

その季節に必要な栄養を、その季節の食材から、無理なく、自然にいただく。

心が満たされ、身体も整っていく。
旬の食材を味わうことは、心だけでなく、身体の健康にも繋がります。

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療（precision medicine）を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ