ビタミンA びたみんえー
ビタミンAとは?
ビタミンAは脂溶性ビタミンの1つです。主に動物性食品に含まれており、体内ではレチノール、レナチール、レチノイン酸といった3種類の活性型で作用しています。その中で、目に良い成分を持っているのがレナチール、がんに働くのはレチノイン酸です。
また、植物に含まれるβ–カロテンは、体内でビタミンAに変換されるため、別名プロビタミンAと呼ばれ、ビタミンAの仲間に分類されます。
ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、過剰摂取には注意が必要です。
ビタミンAの働きにはどのようなものがあるのだろう?
ビタミンAには様々な働きがあります。ここでは、ビタミンAの働きの中で重要なものをいくつか取り上げていきます。
目や皮膚の粘膜を守る働き
ビタミンAの主要な成分であるレチノールには、目や皮膚の粘膜を守る働きがあります。また、体の抵抗力を高める効果もあるため、風邪の予防に効果的です。
レチノールは、ロドプシンという成分の合成に必要な栄養素です。ロドプシンは、光刺激の反応に関係しているため、ビタミンAを摂取することで薄暗いところでも視力を保つことができます。
最近の報告では、レチノールが上皮細胞で発がん物質の効果を軽減するというものがあり、がん予防の可能性も出てきています。
骨や皮膚の作り替えを補助する働き
ビタミンAの働きには、骨や皮膚の作り替えを補助する働きもあります。もし、ビタミンAが不足すると、骨折しやすくなったり、イボやウオノメができやすい体質になったりします。また、髪の毛を健康に保つ効果もあるため、不足すると髪の毛のうるおいも少なくなってしまいます。
動脈硬化を予防する働き
ビタミンAの仲間であるβ–カロテンには、抗酸化作用があり、悪玉コレステロールを減らす効果があります。活性酸素は増えすぎる事で体が酸化しやすくなり、老化を早めてしまいます。その結果、動脈硬化やがんを引き起こす事につながります。
β–カロテンの抗酸化作用によって、体が酸化するのを防ぎ、体を健康に保つことができます。
ビタミンAの働きの中で私たちに最も身近なのは風邪の予防でしょう。鼻や口、のどは常に外気と接しているため、ウイルスなどから体を守る必要があります。ビタミンAによってのどの粘膜を強化することで、ウイルスなどから体を守り風邪の予防につながります。
風邪の予防にはビタミンCがいいといわれていますが、ビタミンCとともにビタミンAも摂取するとより効果的です。
ビタミンAの摂取目安量は?
ビタミンAの摂取目安量は、レチノール、レナチール、レチノイン酸、β–カロテンを合わせた値です。
ビタミンAの1日当たりの摂取推奨量は、成人男性で800~900㎍、成人女性は650~700㎍となっています。
ビタミンAを豊富に含む食材は、鶏や豚のレバー、うなぎ、乳製品、卵などです。また、ビタミンAの仲間に分類されているβ–カロテンは、にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
ビタミンAは過剰摂取に注意が必要
ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため水溶性ビタミンに比べて排出されにくく、過剰摂取になりやすいという特徴があります。
ビタミンAを過剰摂取してしまうと、頭痛、吐き気、めまい、目のかすみといった症状が出る可能性があります。ひどい場合には、関節や骨の痛み、皮膚の乾燥、脱毛、肝障害につながることもあります。特に妊婦さんの場合は、過剰摂取の影響がおなかの中の赤ちゃんに出てしまう事もあるので注意が必要です。