④ ED(勃起障害)リスクファクターには意外な原因が!
Dr.大友
渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
これからは勃起障害(ED)のリスクファクターについてもお伺いしたいと思います。
一つは僕の専門分野のエイジング(加齢)です。欧米ではアンチエイジングと言えば割とSEXの回数だったり、性的満足度って言われたりすることも多いんですね。
一般的にSEXする回数そのものはヨーロッパとかアメリカの方が断然多いんですけど、勃起の機能には人種差って結構あるんですか?
Dr.小池
JR東京総合病院 泌尿器科部長
一般的に言われているのは欧米人に比べて日本人の方が性機能はかなり低いというふうには言われていますね。
Dr.大友
なるほど。それ遺伝子かも知れないということですか。
Dr.小池
かもしれないですね。やはり民族性とかの問題ももしかしたらあるのかもしれません。
Dr.大友
それでは(人種差もあるけど)少しは加齢によって起きている。それ以外はどうですか?
Dr.小池
そうですね。あとは喫煙。
Dr.大友
喫煙。
Dr.小池
喫煙はやはりどんなものにも悪い影響を与えます。もちろんEDにも悪い影響を与える。
Dr.大友
喫煙は動脈硬化も関連していますね。
Dr.小池
そうですね。
Dr.大友
他はどうですか。
Dr.小池
あとは糖尿病。こちらはもちろん血管にもきますし神経の方にもやはり悪影響を及ぼしますので糖尿病も一つのリスクファクターというふうに考えています。
Dr.大友
神経っていうのは自律神経ですか。
Dr.小池
そうですね。
Dr.大友
自律神経が働きにくくなるので血管が伸びたり縮んだりがしにくくなるし、動脈硬化が起きて血流が悪くなる。
Dr.小池
そうですね。
Dr.大友
他には?
Dr.小池
あとは高脂血症。やはり動脈硬化の原因としてかかわってきますので、高脂血症も一つの原因になってくると思いますし。
Dr.大友
生活習慣病ですね。
Dr.小池
そういうことですね。
Dr.大友
なるほど。他は?
Dr.小池
いわゆる前立腺肥大とかも一つのリスクになってくると思います。
(先ほど薬が勃起障害の原因になるという話がありましたが)前立腺肥大症のお薬にもEDを引き起こす可能性のあるお薬がいくつかあります。
Dr.大友
なるほど。前立腺肥大症のお薬でも勃起障害を引き起こす可能性があるってことですね。
Dr.小池
そうですね。
Dr.大友
アルコールとかどうなんですか。アメリカの論文とか見てるとアルコールも勃起障害のリスクファクターに入っているようなんですけど。
Dr.小池
そうなんですね。
Dr.大友
でもアルコール飲んだ方がちょっと落ち着いてできるみたいな人もいますよね。
Dr.小池
はい。いますね。
Dr.大友
実際の外来の現場ではどうなんですか。
Dr.小池
性行為まではいくことはアルコールがちょっと入っていた方がやり易いところあるかも知れません。けれども射精まで行きつくかって言うとなるとアルコールに関してはちょっとあまり良くないのかなという印象があります。
Dr.大友
なるほど。アルコールは一般的には血管を広げる、副交感神経が優位になるわけですね。
Dr.小池
そうですね。
Dr.大友
勃起するにはいいけどというと、射精ってまた別の問題なんですか。
Dr.小池
そうですね。
Dr.大友
それなんか理由があるんですか。射精は交感神経が優位になるからですか。
Dr.小池
そうですね。はい。多分それが原因だと思うんですけどね。
Dr.大友
ということはアルコールで血管が広くなって血流が良くなっているのはいいけど、最後に射精しようと思うときにアルコールを飲んでいるとリラックスして交感神経がうまく働かなくて射精できないみたいな?
Dr.小池
あるかもしれません。
Dr.大友
適量はどれくらいですか。
Dr.小池
適量ですかね。まあ人それぞれで違うと思いますけれどもやはりあのそうですねあんまり飲み過ぎるのは良くないと思いますね。うん。なかなかちょっとすいません答えがなくて。
Dr.大友
普段飲んでる例えばビール3本くらいで酔っ払うなって人だったら今日はそういう性的なことをね予期していったとしたらどれくらい?
Dr.小池
半分くらいにしておいた方がいいのかもしれません。
Dr.大友
半分。
Dr.小池
はい。
Dr.大友
酔っ払う半分くらい。それ大事ですからね。
Dr.小池
そうですね。はい。
Dr.大友
じゃあ何か夜は性的なことがあると思ったときは普段の半分。
Dr.小池
半分くらい。
Dr.大友
半分大丈夫ですか。
Dr.小池
半分で・・・。
Dr.大友
1/3?
Dr.小池
1/3でもいいかもしれません。まあでも。
Dr.大友
半分から1/3くらいにして頂きたいと思います。
Dr.小池
はい。
Dr.大友
勉強になりました。
【このテーマの目次】
① ED(勃起障害)とはスポンジに血流が届かないこと
② ED(勃起障害)の原因を考える。原因不明の中には心筋梗塞が隠れていることも!
③ ED(勃起障害)一人エッチの仕方も原因になる?
④ ED(勃起障害)リスクファクターには意外な原因が!
⑤ ED(勃起障害)バイアグラ、レビトラ、シアリス
⑥ ED(勃起障害)に効く食事
⑦ ED(勃起障害)男性ホルモンを増やす食事
⑧ ED(勃起障害)性欲をあげる食事
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
日本泌尿器科学会専門医指導医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本排尿機能学会認定医、がん治療認定医、日本臨床腎移植学会腎移植認定医
趣味は90年代洋楽ロック鑑賞となかなか上手くならないゴルフ