免疫を上げたい人におすすめしたい「春菊」 しゅんぎく
独特の香りで食欲をそそる春菊は、春になると菊のような花を咲かせることから春菊と呼ばれています。
春菊の旬は冬場の11月~3月で、鍋物の具材としても欠かせない食材です。ちなみに春菊はヨーロッパでは観賞用として栽培されており、食用に用いるのは東アジアだけのようです。
DR大友はβ-カロテン、ミネラル豊富な春菊には免疫力アップを期待しています。
病み上がりの際に咳が止まらないときは積極的にお召し上がりいただきたい食材です。また塩分を取りすぎる傾向にある人にもカリウムは高血圧の予防、体のむくみを改善に役立つと思います。
栄養素
春菊には独特の香りがありますが、これはα–ピネン、ベンズアルデヒドなど13種類の成分で構成されています。自律神経に作用し胃腸の働きを整えたり、咳を切ったり痰を鎮めたりする効果があります。これらの成分はアロマテラピーの精油に使われることもあります。
また、春菊は緑黄色野菜の中でもβ-カロテンの含有量がトップクラスです。春菊100gで一日に必要なビタミンAを補うことができます。ビタミンCも多く含まれ、ビタミンAとビタミンCは、抗酸化力や免疫力を高める成分です。
春菊はミネラルも豊富な食材で、特にカリウムの含有量が多いのが特徴です。カリウムには過剰な塩分を排出して高血圧を予防したり、利尿作用によって体のむくみを改善する効果があります。
春菊の主な栄養成分(可食部100gあたり 1株(中)17g)
・ エネルギー……22kcal
・ カリウム……460mg
・ カルシウム……120mg
・ マグネシウム……26mg
・ リン……44mg
・ 鉄……1.7mg
・ β-カロテン……4500μg
・ ビタミンB2……0.16mg
・ ビタミンC……19mg
・ ビタミンE……1.7mg
・ ビタミンK……250mg
効能・効果
免疫力を高める
同じ緑黄色野菜のほうれん草や小松菜よりもβ–カロテンの含有量が多く、免疫力を高め、風邪やインフルエンザの予防などに高い効果があります。
視力の維持
β–カロテンには視力を維持・回復させる働きもあります。
鎮咳去痰(ちんがいきょたん)
春菊が持つ独特の香りは咳を鎮め、痰を切りやすくする効果があります。
むくみの予防
カリウムには水分の排出を促し、むくみを改善する働きがあります。
骨粗しょう症の予防
カルシウムとマグネシウムが同時に摂取でき、骨を強くして骨粗しょう症の予防につながります。
便秘解消
食物繊維が豊富で便通を整える働きがあります。便秘の解消は大腸がんの予防にもつながります。
東洋医学的側面
・ 寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・ 昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)
・ 臓腑:心、肺、胃(肺の熱を取り除き痰濁を取り去る、胃の働きを調和する)
・ 五味:甘(補い滋養する作用)・辛(発散、気を巡らせる作用)
・ 毒性:なし
のどの熱を取り除き、咳を沈め痰を切りやすくします
胃の働きを整える健胃作用があります
余分な水分を排出し便通を整える効果もあります
気の巡りを良くして精神を安定させる働きがあります
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
湿らせた新聞紙にくるんで、茎をたてにして冷蔵庫に入れると葉がしならずに保存できます。
色が濃く鮮やかで葉のギザギザが浅く広がっているものを選びましょう。ちなみに鮮度が落ちたものは葉が黄色く変色していきます。
灰汁(アク)が少ないので下茹でせずにそのまま使えますが、下茹でする場合は、熱湯に15秒ほどさっとくぐらせる程度にするとビタミンCなどの栄養素が壊れません。おひたしにする場合は、水に浸けすぎると栄養素が溶け出してしまうので、水切りを素早くしましょう。胡麻和えなどにすると風味も良くなり美味しくいただけます。
ビタミンA(β–カロテン)は脂溶性(油に溶けやすい)のため、天ぷらなどにして食べるのも良い方法です。