EPAが動脈硬化を防ぐ「サンマ」 さんま
サンマは動脈硬化などの予防に効果があるとされる不飽和脂肪酸を豊富に含む青魚の代表です。
サンマは秋刀魚と書くように秋の魚です。なかでも北から三陸沖まで南下してくる9~10月ごろは脂がのって最もおいしい季節です。
栄養素
サンマをはじめとする青魚には不飽和脂肪酸が多く含まれています。特に不飽和脂肪酸の中でも分子量が大きく、二重結合の多い、エイコサペンタエン酸(EPA:イコサペンタエン酸(IPA)とも言います。)やドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含んでいます。EPAやDHAには血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす効果があります。また、DHAには脳内に取り込まれ、神経のシナプスを活性化させる働きがあるほか、炎症を抑える作用もあります。
ナイアシンには、脳の働きを正常に保つ効果があります。
サンマの栄養成分(可食部100gあたり)
・たんぱく質・・・18.5g
・脂質・・・24.6g
・鉄・・・1.4mg
・ビタミンD・・・19.0μg
・ビタミンB2・・・0.26mg
・ナイアシン・・・7.0mg
・ビタミンB12・・・17.7mg
・多価不飽和脂肪酸・・・4.58g
効能・効果
学習能力の向上、認知症予防:EPAやDHAは血液をきれいにしてくれるので、脳細胞を活性化させて学習能力や記憶力を向上させます。また、DHAは脳に取り込まれて、脳細胞を柔らかくし、シナプスを活性化させて情報伝達を促進します。
視力の回復:DHAが網膜の細胞を柔軟に保つことで、視覚の情報の伝達をスムーズにします。
貧血予防:鉄分の他に赤血球の合成に必要なビタミンB12を多く含んでいるため、貧血の予防に効果があります。
アレルギーの緩和:オメガ3系の脂肪酸であるDHAやEPAを豊富に含んでいるため、オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸のバランスが改善され、体内の免疫バランスを正常に保ちます。
東洋医学的側面
・寒熱:平(体を温める作用)
・昇降・収散・潤燥:
・臓腑:心・肝・腎
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:なし
滋養作用があり、気を補います
胃腸の働きを高めます
血液の流れを促進します
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
サンマの食べ方というと塩焼きが定番ですが、塩焼きにすると脂やコラーゲンが流出してしまい、せっかくのDHAやEPAが減ってしまいます。刺身や煮つけなどにすると、DHAやEPAを無駄なく摂取することが出来ます。
また、サンマは胃がほとんどなく、食べたものがあまり長い間体内にたまっていないために内蔵も食べることが出来ます。内臓には鉄分をはじめとするミネラル、ビタミンB12やビタミンAなどのビタミン類が豊富に含まれています。