松茸とワインの香りが脳を元気にする理由を考察
香りが脳に与える影響を考える
そろそろ松茸のシーズンも終盤戦。
松茸やワインの香りが鼻を通るたびに、なんとも言えない気分になるのは、やはり、味だけでなく「香り」にあると考えています。
香りは鼻を通って大脳辺縁系という感情や記憶を司る脳の一部に働きかけます。
松茸の香りがどこかリラックスさせてくれるのは、松茸に含まれるエノール類やアルデヒド類によって、副交感神経が刺激されるから。
特にエノールは水々しい松茸に多く含まれているため、採れたてのものほど香りが良いと言われています。
一方で、ワインの香りにはエステル類やフェノール類が含まれており、副交感神経を刺激するだけでなく、アルコールによって交感神経も少し活性化されます。
松茸とワインの香りで極上のリラックス
とはいえ、今回のような名店で松茸とワインを一緒にいただくと、多くの人はリラックスするよりも心が高揚し、興奮してしまうでしょう。
これも香りが引き起こす感覚の複雑な相互作用の一つと言えると思います。
今回のお料理は、神田さん、天ぷら松、黒木さんによるものでした。
ピエール的には、ボランジェRDが松茸に最も寄り添う素晴らしいマリアージュだったと感じました。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ