ニャンコでもわかる乳糖不耐症
DRピエール
乳糖不耐症の治療において最も簡単な方法は、食事として摂取するラクトースの量を減らすことです。
乳糖不耐症の方であっても、ある程度のラクトースであれば症状は起こらない場合がほとんどであるため、ミルクやヨーグルト、チーズ、アイスクリームなどの乳製品を意識して減らすようにすることで、症状を抑えることができます。
ニャンコ
牛乳は止められるかもしれないけど、ヨーグルトは腸内環境にいいんでしょ?
DRピエール
うーん、難しい質問。。
ヨーグルトには大量のラクトースが含まれていますが、一方で乳糖不耐症に有益なこともあります。
ヨーグルトを作る過程で使用される菌にはラクターゼをもつものがあります。このため、ヨーグルトを食べて、それが胃や腸に留まっている間は、このラクターゼの力を借りて、ラクトースを分解することができます。こうして、腸に到達するラクトースの量を減らすことで、症状を抑えることが可能になります。
ニャンコ
やっぱり牛乳はダメかな?
DRピエール
豆乳やライスミルクなどと代替することで、対処することができます。
いずれにしても、少量のラクトースでも症状が現れてしまう人の場合は、より厳しい食事制限が必要になります。
牛乳やチーズのようなラクトースを含む乳製品は避け、加工食品等を購入する際は牛乳等が含まれていないかに注意し、さらに外食時もソース等に乳製品を使用していないか確認することが重要になります。
ニャンコ
外で会食しているときは難しいかもしれない。
DRピエール
外でも徹底して頂きたいけど。。
乳糖不耐症の症状を抑えるもう1つの方法は、牛乳やチーズ等をそれだけで飲食するのではなく、食事中に含めるという方法です。
食事(特に脂肪を豊富に含むもの)として摂取した食物は、ゆっくり時間をかけて胃や腸で消化、吸収されます。
このとき、乳製品単体で摂取した場合よりも、他のものと混ざった状態で摂取した場合の方が、よりゆっくりと腸内を流れていくことになります。
ニャンコ
ゆっくりだと何かメリットがあるのかニャン?
DRピエール
産生できるラクターゼの量には限りがあるため、ラクトースが小腸へと流れていく速度をいかにゆっくりにできるかということがポイントとなります。
症状を見ながら良く考えてくださいね。
ニャンコ
乳製品を取らないことによる懸念点はあるの?
DRピエール
牛乳や牛乳を含む食品は、カルシウムやビタミンDの重要な供給源となっています。したがって、乳糖不耐症の患者さんでは、カルシウムやビタミンDが不足している状態に陥いる可能性があります。
ニャンコ
骨粗しょう症が心配。
DRピエール
カルシウム、ビタミンDは、いずれも不足すると骨折や骨粗鬆症など、骨の病気の原因となります。乳糖不耐症の患者さんで最も問題となっているのが、骨粗鬆症です。
ビタミンDは太陽の光に浴びるのが一番。1日15分を目安にしてください。
カルシウムは小魚が一番。ナッツ類と一緒に食べてください。
ニャンコ
サプリメントは?
DRピエール
乳糖不耐症の患者さんは、食事から摂取するカルシウム、ビタミンDの量が少ない分、サプリメント等を利用して補うことも重要です。
多くの場合、乳糖不耐症になるまでのお食事で免疫系にダメージがあることが多いのでマルチビタミンミネラルも一緒に摂ることを意識したほうが良いですね。
ニャンコ
患者さんは、症状を恐れて、あるいは無意識のうちに乳製品を避けてしまうため、カルシウムやビタミンDが不足するかもと意識したほうがいいですね。
DRピエール
乳製品が悪いのではなくて、それを分解することが出来ない人がいるという理解が広まるといいのですが。お酒も百薬の長という話がある一方で、アルコール分解酵素がない人にとってはただの毒になります。全ての人に完璧な食材はないという視点が大事なのではないでしょうか?
ニャンコ
乳糖不耐症については分かった。
でもだるいのは治っていないの。
DRピエール
昨日から下痢だったみたいだから点滴をしよう。
あちらのベッドでお待ちくださいね。
ニャンコ
は~い、待ってますニャン!