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ピエール語録|No.2 デトックスとは、「出すべきもの」を知り、普段から整えること

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体内からの排毒:毒素と3つの出口の機能

人は、毒を食べ、吸い、感じて、生きています。

ここでいう「毒」とは、アルコールかもしれませんし、PM2.5かもしれません。農薬かもしれませんし、水銀・ヒ素などの重金属かもしれません。お薬もそうであるかもしれませんし、人によってはグルテンや乳糖も毒となり得ます。

人間の体はこれらを排出する術を持っていますが、それでも出すべきものを出せないと、不調を静かに育てていくことになります。

では、「デトックス」とは具体的に何を指すのでしょうか。

それは、肝臓・腸・腎臓という「3つの出口」が、医療で無理やりこじ開けるのではなく、普段から自力で機能している状態を指します。

 

ピエールが考える食的な解決法の一つが、ガスパチョのような野菜のすり流しです。この料理は、ピエールが経営する薬膳レストラン「FAM」の店長のご実家から送られてきた野菜を使って作っています。

「出す身体」をつくる、3つの出口の役割

①肝臓:体内の毒を見つけ排出する「工場」の役割を果たします。
パプリカやトマトに含まれるビタミン群が、解毒の潤滑油になります。そして、鮑の肝の苦味が、胆汁という「毒を流す液体」のスイッチを入れます。

②腸:毒を再吸収させない「最終出口」の役割を果たします。
パセリ食物繊維きゅうりの酸が、腸の動きを促します。「出せない腸」は、毒を再吸収する沈黙の臓器になってしまいます。

③腎臓:に溶けた毒を濾して出す「ろ過装置」の役割を果たします。
カリウムとクロロフィルが、静かにろ過を助けます。尿で出す力を失うと、疲労とむくみは「溜まりもの」になってしまいます。

このスープは、パプリカ、トマト、パセリ、きゅうり、えび出汁、鮑の肝という食材で構成されており、デトックスを行う三臓器すべてにスイッチを入れるための設計食です。見た目は涼やかでも、後ろにある思想は熱いのです。

現代医療におけるデトックス設計:検査と治療のステップ

2025年現在、医療としてデトックスに取り組むなら、どのように進めるべきでしょうか。

Step 1:測ることから、すべてが始まります。
エピジェネティック検査(代謝と排毒の遺伝的な傾向を知る)。
有害金属・環境毒の検査(何が出せていないかを特定)。
腸内フローラ検査、IgGアレルギー検査、リーキーガット評価(腸の吸収・排出力を可視化)。

Step 2:出せていないことがわかった毒に対して処方します。
肝臓サポート:グルタチオン・強ミノ・キレーション点滴。
腸サポート:腸内フローラ設計・短鎖脂肪酸補充・除去食指導。
腎臓サポート:電解質バランス、腎の排泄サポート点滴。

今日の診断: 排毒経路構造不全症
処方: まずは「何が詰まっているか」を測り、その出口を設計しなおすことです。

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ  

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