天ぷらから感じる職人魂

凍結するギリギリで収穫された露地もののブロッコリー。

その甘みと香ばしさ、そして食感が、揚げるという技術によって見事に表現された素晴らしい天ぷらをいただきました。

この天ぷらを作られたのは、天ぷらの名匠である田澤宏一さんです。
その最後の勇姿を拝見するため、函館まで足を運びました。

生涯をかける仕事への想い

若かりし頃はフレンチを学び、その後独自に天ぷらを始められた田澤さん。
大きな事故を経て、2年前に一度は引退を決意されましたが、再び職人の世界に戻ってこられました。

「少しでもお客様の心に残れば良い」「毎日が新しい発見で楽しい」と語るスタ澤さんの姿勢や、周りからどう言われようとも最後までぶれずに自身のスタイルを貫き通す職人魂は、大変素晴らしいものでした。

私も医師として、生涯職人でありたいという思いを抱いています。そのような気持ちを再確認しながら、最後のお食事を楽しくいただきました。

まずはゆっくりと英気を養っていただき、どのような形であれ、再びお目にかかれることを願っています。

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療（precision medicine）を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ