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美味しいを医学してわかったドクターが選ぶ2021年最高レストラン

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最新医学で評価される3つの要素

美味しいの語源は,”技能や細工が巧みで立派なことを云ういし (美し) “から。

医学の世界は技能的、物質的なものと思われがちですが、美容、痛みなどの世界はそれにとどまらず感情の要素も多い。
そのため最新の医学では病気や症状を生物、心理、社会の3つの要素に分けて評価するようになってきている。

生物的とは、これまでの物質的、身体的な要素のこと。例えば、亜鉛が足りなくなっている人は味覚センサーが働かないので、味の基準が変わってしまうこともある。

心理的とは気分のこと。例えば、彼女が初めて作ってくれた食事であれば好みでなくても嬉しくて箸が進むみたいなこともあると思います。

社会的とは周りの動向に左右されると言うこと。例えば、行列のできているお店やミシュランのレストランだということが判断に付加されること。

こうした3つの観点から選んだ2021年最高に美味しかったレストランが銀座のル・シーニュ。

愛情あふれるイノベーティブ フレンチ

ピエールは過去の地中海食料理修行で乳製品を食べ過ぎたせいからなのか、それまで大好きだった乳製品(厳密には乳糖)を受け付けなくなってしまった。
こうなるとオリーブオイルベースの南仏料理は別として、フランス料理を昔みたいにフルに楽しむのは難しい。

特にイノベーティブと呼ばれるジャンルのフランス料理は乳が味だけでなく、粘度などの構成要素のこともありご対応していただけることはほぼない…

このことをよく知ってる友人でもある有馬ソムリエが乳を一切使わない特別なコースを仕立ててくれた。

生物学的な要素という観点からは、乳が少ないと身体(腸)への負担も少なく味覚も鋭敏に!
久しぶりにイノベーティブなお料理が食べられるという期待感で心理的な要素もフルマックス!
そして何より上野シェフと有馬さんが年末の超お忙しい時期に、何度も試作してくれたということが伝わってくるという社会的な要素!

この生物、心理、社会の要素が三位一体であったレストランがル・シーニュさんだったというわけ。

皆様もそれぞれの素敵なお料理に出会えるますようご祈念しております。

Le Signe(ル・シーニュ)
東京都中央区銀座5-4-15 西五ビル 6F

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ 

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