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カベルネフラン種のワインと和食が紡ぐハーモニー

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サンテミリオンの誇り「シュヴァル・ブラン」

フランス・ボルドー地方のサンテミリオンは、中世にはキリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の宿場町として発展し、巡礼者たちがそのワインの美味しさを伝えたことで、サンテミリオンのワインはヨーロッパ中で知られるようになりました。

この古代ローマ時代からの名産地で、最高のシャトーとして君臨し続けているのが「シャトー・シュヴァル・ブラン」です。

シュヴァル・ブランの最大の特徴は、ブレンド比率にあります。
ボルドーでは補助品種として使われることが多いカベルネ・フランを、なんと約半分という大胆な割合で使用しているのです。

カベルネ・フランは、しばしば“控えめな存在”と見なされがちですが、その魅力は奥深いものです。
カベルネ・ソーヴィニヨンに比べるとやや控えめな存在のカベルネ・フランですが、果皮が薄いためタンニンの渋みが少なく、酸味が軽やかで余韻の美しいワインに仕上がるのが特徴です。

ワイン学校などでは、カベルネ・フランの特徴として「ピーマンのような青い香り」と教わることもありますが、それはまるで薬味のように、料理に複雑さと深みを加える繊細なニュアンスとも言えるのです。

トラフグごはんから鰻まで、和の旨味を引き立てる

このエキゾチックなスパイス香を持つワインは、出汁の効いたトラフグの炊き込みご飯にもよくあい、仕上げに振りかけた薬味のネギと相まって、完璧なマリアージュを楽しめます。

ご家庭で試すなら、タレ焼きの焼き鳥や鰻の蒲焼きに、山椒や刻みネギを添えたものもおすすめです。

ボルドーやロワール地方のカベルネ・フランは名高いものの、やや高価になることも。
もっと気軽に楽しみたいときは、アルゼンチンのカベルネ・フランは価格も手頃で家庭料理にも使いやすいです。

ただし、アルゼンチンワインはアルコール度数がやや高く、タンニンが強めな場合もあるので、デキャンタージュをして空気に触れさせてから飲むと、楽しむのもおすすめです。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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