間接測定法 かんせつそくていほう

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間接測定法

私たちは食物から栄養素を摂取し、栄養素と酸素が化学反応を起こすことでエネルギーを生成します。この時、二酸化炭素と水が産生されます。このような一連の生理的なメカニズムを利用することで、吐く息の中に含まれる酸素と二酸化炭素や尿中に含まれる窒素の濃度と体積を測定し、そこからエネルギー消費量を算出します。直接エネルギーの消費量を見るのではなくて、エネルギーができる時の副産物である二酸化炭素と水から、間接的に算出するのです。

炭水化物と脂肪は、最終的に二酸化炭素と水にまで分解され、タンパク質は尿中窒素にまで分解されます。したがって、吐く息の中に含まれる酸素と二酸化炭素の濃度と容積、尿の中に含まれる窒素の量を測定し、その値を以下の式に当てはめることで、間接的にエネルギー消費量を求めることができます。

エネルギー消費量 [kcal]
= 3.941 × 酸素摂取量[L]
+ 1.106 × 二酸化炭素産生量[L] ー 2.17 × 尿中窒素量[g]

食べ物から産生するエネルギーのうち、タンパク質から産生される割合は安定しています。そのため、タンパク質の割合を12.5%と仮定することで、上の式は次のように少しだけシンプルになります。

エネルギー消費量[kcal]
= 3.9 × 酸素摂取量[L] + 1.1 × 二酸化炭素産生量[L]

酸素の摂取量と二酸化炭素の産生量、尿中窒素量を正確に測定することができれば、ほとんどの場合で、誤差は1%かそれよりも小さい値で、エネルギー消費量を推定することができます。厳しいトレーニングを行なっているようなアスリートなどは、高タンパク質・低脂質な食事を摂ることがあります。この様な場合は、摂取する栄養素は極端に偏ることになりますが、そうでない普通の人であれば、尿中に含まれる窒素の量は大きく変動しないため、その差を考慮しないことによる影響はごくわずかです。そのため、呼気を分析するだけでも十分に正確なエネルギー消費量を測定することができます。

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