② 前立腺がん 動物性脂肪食には気をつけろ?
Dr.大友
渋谷セントラルクリニック エグゼクティブディレクター
前立腺がんって、要するに、診断されるまでにだんだんPSAがちょっとずつ上がっていくことが多い。それまでの間、みなさんドキドキして何かできないのかと思っていらっしゃると思うんですよ。
Dr.小池
JR東京総合病院 泌尿器科部長
そうですね。
Dr.大友
特に食事が大事とのことですよね。
Dr.小池
そうですね。脂肪かな?
Dr.大友
特に脂肪?どんな脂肪がよくないんですか。
Dr.小池
飽和脂肪酸。
Dr.大友
飽和脂肪酸。動物性のですね。
Dr.小池
はい。動物性の脂肪がよくないと言われています。実際問題として20年前はそんなに動物性の脂肪を摂取する機会は今よりは多くなかったと思います。それが実際、今これだけ増えているってことは、やはり飽和脂肪酸が良くないのかなと考えられると思いますね。
Dr.大友
例えば動物性の脂肪酸ですね。脂肪って、どんな風に前立腺がんに関係しているんですか。
Dr.小池
そうですね。動物性の脂肪というのが慢性的な炎症を惹起すると言う風にも言われています。
Dr.大友
慢性的な炎症を惹起(じゃっき)する、つまり慢性的な炎症を引き起こすということですね。そうすると、それは細胞をやっぱり・・。
Dr.小池
がん細胞に導く可能性があるということですね。
Dr.大友
なるほど。
Dr.小池
あと前立腺がんの特徴として男性ホルモンの影響を受けやすいというところがありますので、そうした動物性の脂肪を摂ることによって男性ホルモンを高める可能性がある。
Dr.大友
増やしてしまう。
Dr.小池
はい、ひとつ影響しているのかなと考えられます。
Dr.大友
数年前、僕が論文を調べたときに前立腺がんは男性ホルモンが高いと良くない、実際がんになったあとは男性ホルモンは増やすけれども、その報告は男性ホルモンが低くてもむしろ前立腺がんになるなんて話もあったんですが。それはどうですか。
Dr.小池
男性ホルモンが高い方が前立腺がんになりやすいといとう流れです。逆に低すぎると前立腺がんができたときに悪性度の高い前立腺がんができるというような報告もあります。
Dr.大友
悪性度の高い、たちの悪いがんになってしまう。
Dr.小池
色んなところに転移しやすいとか、そういったがんが出やすいといった報告もあります。
Dr.大友
なるほど。
Dr.小池
男性ホルモンが高いからいいとか、低いからいいっていうのは言いづらいとこではあります。
Dr.大友
動物性の脂肪に関しては慢性の炎症を引き起こすし、かつ男性ホルモンを増やすから、統計的には前立腺がんには良からぬ動きをしているのではないかと。
他にもがんに関係する脂肪としてトランス脂肪酸とか言われてますよね。そういうのはどうですか。
Dr.小池
それも前立腺がんに限ったことではないと思うんですが、やはり決していいものではないと思いますね。
Dr.大友
色んながんを引き起こす可能性があると言われています。
Dr.小池
そうですね。
Dr.大友
先生がもしそういうものの中で気を付けてるものとしては?
Dr.小池
そうですね。マーガリンとか。
Dr.大友
トランス脂肪酸はマーガリンに代表されますね。
Dr.小池
マーガリンとかですね。そういったものには多く含まれているので、最近はあまり使っている人も少ないかもしれませんけど、やはり良くないと思いますね。
Dr.大友
はい。他はどんなものに含まれていますか。
Dr.小池
そうですね。お菓子とか。
Dr.大友
お菓子ね。入ってますね。見えないですからね。
Dr.小池
そうですね。
Dr.大友
書いていないのでね。そうするとPSAが上がってきてる人や前立腺がんって診断された人はお肉だったり、トランス脂肪酸をまず食卓から控えていくべき。
Dr.小池
そうですね。避けた方が良いと思います。
Dr.大友
ありがとうございます。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
小池祐介 JR東京総合病院泌尿器科部長
日本泌尿器科学会専門医指導医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本排尿機能学会認定医、がん治療認定医、日本臨床腎移植学会腎移植認定医
趣味は90年代洋楽ロック鑑賞となかなか上手くならないゴルフ