⑤ 膀胱がん 治療中にお勧めなお食事

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Dr.大友Dr.大友
渋谷セントラルクリニック エグゼクティブディレクター
残念なんですけど膀胱がんになってしまったあとの食事の話にしましょう。膀胱がんも何て言うか色々な治療がありますよね。

Dr.小池
JR東京総合病院泌尿器科部長
はい。

Dr.大友
そうした治療ごとにどんなお食事をしたらいいのか教えて頂きたいなと思います。

Dr.小池
はい。

Dr.大友
膀胱がんってどんな治療が行われているんですか。

Dr.小池
そうですね。大きく分けてその筋層、膀胱の筋肉に浸潤してるかしていないかで大きく治療が変わってきます。

Dr.大友
なるほど。

Dr.小池
もし筋肉に浸潤していない場合は内視鏡的に腫瘍だけを削る、経尿道的膀胱腫瘍切除術。

Dr.大友
経尿道的、それ尿道の間から。

Dr.小池
そうですね。尿道からカメラを入れて削る。

Dr.大友
削るってことですかね。あんまり痛くない手術ですか?

Dr.小池
そうですね。

Dr.大友
全身麻酔?

Dr.小池
全身麻酔や腰椎麻酔でやる場合もありますね。

Dr.大友
なるほど。じゃ、それは比較的少し負担が少ない?

Dr.小池
と思います。それ以外ですと膀胱の上皮内がんという場合はBCGを膀胱内に入れるという治療法があります。昔よく注射もしたと思うんですけど。

Dr.大友
BCG接種ですね。

Dr.小池
そうですね。あのBCG。

Dr.大友
僕は痛みの治療が専門なので、たまに治療後に痛みを訴えてこられる患者さんを診ることもあるんですけど割と痛いんでしょ?

Dr.小池
BCG関しては、膀胱刺激症状がメインできます。

Dr.大友
なるほど。針でちょっとチクッとされたり。

Dr.小池
チクチクするような残尿感があるような。そういった症状が出る場合がありますね。

Dr.大友
そうすると、そういう人たちはどんなお食事を食べたらいいんですか。

Dr.小池
先ほどお話があった通り、クランベリージュースみたいな尿をさらさらにするようなジュースみたいなものを摂って頂いてもいいと思いますし、緑茶もそうですけども、常におしっこをきれいにするという意味でやって頂ければいいかなと。

Dr.大友
水分摂取を心掛ける。

Dr.小池
そうです。そうですね。

Dr.大友
煙草は当然。

Dr.小池
煙草はだめですね。

Dr.大友
あとはアブラナ科の野菜フルーツを摂る

Dr.小池
そうですね。

Dr.大友
なるほど。じゃあそれを食べたり飲んだりして予防に。

Dr.小池
予防に近いですね。

Dr.大友
それ以外の治療法では?

Dr.小池
筋層に浸潤していた場合は膀胱を全部取らなきゃいけないんです

Dr.大友
膀胱を取ってしまう。

Dr.小池
はい。

Dr.大友
僕の拙い知識ですと膀胱がんの手術は昔は結構派手な手術というイメージ。

Dr.小池
そうですね。

Dr.大友
いろいろ出血したり、大変な手術だったような気がするんですけど。今はどうですか?

Dr.小池
今は腹腔鏡とか流行っているロボット手術も保険収載されたのでミニマムインべーシブ、低浸襲な手術が主流になってます。

Dr.大友
そうすると1mlとか2mlしか出血しないんですよね。

Dr.小池
そうですね。上手いドクターが手術するとそうですね。

Dr.大友
そうですか。膀胱取ったりするとかなり副作用とかも多いんですか?

Dr.小池
はい。やはり膀胱を取ると膀胱を溜める袋を新たに作んなきゃいけないからですね。

Dr.大友
おしっこを溜める袋を作る。

Dr.小池
おしっこを溜める袋を作んなきゃいけない。
それには腸を代用にします。代用膀胱と言って腸を袋状にして、それを膀胱の代わりにするという方法と腸を導管として利用して体外に腸を袋をぶら下げる方法。ストーマを着ける回腸導管と言われている方法。
どちらにしても腸を切らなければならないので、そういった意味では腸管を切ることによる合併症というものは避けられないと思いますね。

Dr.大友
例えば、どんな合併症が出てくるんですか。

Dr.小池
そうですね。腸が短くなってしまいますのでビタミンの吸収が悪くなったりとか。

Dr.大友
ビタミンBとか?

Dr.小池
そうですね。

Dr.大友
ビタミンB12

Dr.小池
ビタミンB12とかですね。そういったものの吸収が悪くなったり、腸を切ることによって腸閉塞のリスクが上がったりするようなことがあります。

Dr.大友
腸閉塞、イレウスとか聞くとびっくりしてしまいますが。その前に何か症状って何かあるんですか。

Dr.小池
やはり多いのは腹部膨満感、お腹が張ってるような。

Dr.大友
それは手術直後?

Dr.小池
手術直後はやはり多いですね。

Dr.大友
どれくらい続くんですか?

Dr.小池
そうですね。普通の人だともう2~3日でガス(おなら)が出るんですね。それを見てお腹しっかり動いているなっていうのを判断するんです。ガスが出ないとかあるいはお腹がずっと張ってるっていう症状が3~4日続くと、ちょっと腸閉塞を疑わないといけないかな?という風に思います。

Dr.大友
腸で膀胱を作る手術するってすごくデリケートな手術だと思うんですけど。

Dr.小池
そうですね。

Dr.大友
どんな食事を術後はした方がいいんですか?

Dr.小池
そうですね。腹部膨満感はやはり腸閉塞の一歩手前の症状だと思いますので。少ない量の食事を数回に分けて食べたりとか。

Dr.大友
腸への負担を減らす。

Dr.小池
そういうことですね。あとは水分をちょっと多めに摂ったりすることは必要だと思いますね。

Dr.大友
なるほど。どんな食事をお勧めしますか?

Dr.小池
どんな食事ですか。そうですね。

Dr.大友
免疫力を上げた方がいい?

Dr.小池
そうですね。免疫力は上げた方がいいのでやはり高タンパクですね。

Dr.大友
なるほど。

Dr.小池
炭水化物だけじゃなくて、やはりタンパク質を摂ることが大事だと思います。

Dr.大友
もともと血糖が高い状況ってのは膀胱がんのリスクかも知れない。

Dr.小池
リスクですからね。

Dr.大友
術後の感染を減らすといった意味に置いても過度の高血糖はあまり良くないということですね。

Dr.小池
そうですね。

Dr.大友
であればある程度タンパクは必要。

Dr.小池
タンパクは必要ですね。はい。

Dr.大友
お野菜とかはどうですか。

Dr.小池
お野菜はもちろん必要なんですけれども、繊維質が多かったりすると腸閉塞のリスクになったりすることもあります。なのでしっかり火を通して。

Dr.大友
生野菜では無くて。

Dr.小池
生野菜はだめだということです。

Dr.大友
火を通してあげる。

Dr.小池
そうですね。

Dr.大友
あとは、お茶を飲むと。

Dr.小池
お茶を飲むのは大事だと思います。

Dr.大友
一日5回くらいに分けて飲む?そして膨満感だったり、下痢だったりそういったことが続くかも知れないけど落ち着かない様だったら先生にご相談するということですか?

Dr.小池
はい。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

小池祐介 JR東京総合病院泌尿器科部長
日本泌尿器科学会専門医指導医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本排尿機能学会認定医、がん治療認定医、日本臨床腎移植学会腎移植認定医

趣味は90年代洋楽ロック鑑賞となかなか上手くならないゴルフ

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