② 下部尿路症状 老化すると膀胱が敏感になる?

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【Dr.大友とDr.小池の対談動画はこちらをclick】

Dr.大友
渋谷セントラルクリニックエグゼクティブディレクター
尿の勢いがそんなに大人の悩みになっているとは気づかなかったです。
どのような病気が考えられるのですか。

Dr.小池
JR東京総合病院泌尿器科部長
一番考えられるのは前立腺肥大症です。

Dr.大友
前立腺肥大症。

Dr.小池
前立腺は膀胱の下にある栗の実とかクルミ大くらいの20ccの大きさです。それが60歳以上になると肥大してくるという疾患です。
ただ前立腺肥大があるからと言って絶対に治療しなくてはいけないということではなく、勢いが弱くなったとか回数が多いなど症状がでてきた場合に治療の適応になることが多いです。それがおしっこの勢いが弱いという一つの原因になると思います。

Dr.大友
前立腺肥大はおしっこの出口が狭められてしまうので、膀胱でお小水が出ても狭いから勢い良くは出ないということですね。

Dr.小池
はい。60歳以上の疾患と言われています。
あとは過活動膀胱といいまして、膀胱がちょっとおしっこが溜まっただけでまたすぐにおトイレに行きたくなる。膀胱の過敏性が上がってしまうことによる障害が過活動膀胱です。
これも排尿に関する大きな疾患です。

Dr.大友
なぜ膀胱が敏感になるのですか。

Dr.小池
いろいろな説がありまして、老化が原因とも言われています。

Dr.大友
老化すると膀胱が敏感になる?

Dr.小池
おしっこが少し溜まっただけでおトイレに行きたくなってしまう。過敏性が上がるということです。
急激な尿意をもよおしてしまう尿意切迫感があります。尿意切迫感があり尿の回数が多いとなると過活動膀胱を疑います。

Dr.大友
過活動膀胱気味の原因なのか、前立腺肥大の原因なのかどうわかるのですか。

Dr.小池
専用のスコアがあるのでご自身でも確認してもらえますが、一番良いのは泌尿科外来にいらして前立腺の大きさとか残尿量とか、ウロフロメトリー検査でどちらが原因なのかを判断します。

Dr.大友
前立腺はどうやって測るのか恥ずかしい気がします。

Dr.小池
そうですね。正確に測るには肛門からエコーを入れます。外来ではお腹から恥骨の上あたりまでにエコーをあてれば前立腺の大きさがわかります。

Dr.大友
お尻に入れられるわけではないのですね。

Dr.小池
はい。
よほどのことがない限りしません。

Dr.大友
安心しました。膀胱の評価はどのように判断されるのですか。

Dr.小池
残尿の測定に関しては、おトイレに行っていただいた後にお腹に超音波を当てます。その機械で判断できます。多くの病院で導入されていると思います。またエコーを使って残尿量を測ることもできます。

Dr.大友
採血でわかることはないのですか。

Dr.小池
採血では前立腺肥大に結びつかないですね。PSA値が高くても前立腺肥大を疑うわけではないです。

Dr.大友
先生に診てもらうのが一番良いということですね。
前立腺肥大も過活動膀胱もわかる。

Dr.小池
はい。あとは基本ですがお小水の検査で白血球、血尿が出ていないかを確認することが大事です。

Dr.大友
おしっこから白血球、血が出ていると石とか腫瘍とか感染とか。

Dr.小池
はい。また違う原因になりますので検尿は非常に大事な基本の検査です。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

小池祐介 JR東京総合病院泌尿器科部長
日本泌尿器科学会専門医指導医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本排尿機能学会認定医、がん治療認定医、日本臨床腎移植学会腎移植認定医

趣味は90年代洋楽ロック鑑賞となかなか上手くならないゴルフ

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