常識を超える発想と守破離の実践

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常識とは破る為にあると思った夜

西麻布にある予約困難な「グルマンディーズ」に訪れる機会をいただきました。

楽しく美味しい会食を楽しむ予定が、思いがけず「守破離」の意味について考えさせられる夜となりました。

スペシャリテの一つである「三田和牛のもも肉」がフライパンひとつで焼かれていることは以前から聞いていましたが、サルコジ元大統領のお抱えシェフを務めたこともある長谷川シェフから、お肉は冷凍からそのまま焼くと伺い、酔いが覚めるほど驚きました。

お肉は解凍してから焼くものと思い込んでいた私にとって、前例にとらわれない新しい発想に「守破離」の一つの形を見た気がしました。

守破離の精神と医療への応用

本によると守破離は、

「守」は師や流派の教えを忠実に守る段階
「破」は他の教えを取り入れ心技を発展させる段階
「離」は独自の新しいものを生み出し確立させる段階

とされています。

医療分野では、安全性が最優先されるため、日本ではエビデンスや前例主義が重視されています。
しかし、認知症をはじめとして解決されていない病気が多く存在する中で、前例主義に陥りすぎると物事の解決から遠ざかる可能性があると個人的には考えています。

この前出かけたバンコクの学会もそうですが、世界では玉石混合とはいえ新しい発想でいろいろな取り組みが始まっています。

私たち中堅も「業界を引っ張っていけるよう努力しなければならない。」と、最高においしいステーキとワインをいただきながら考えました。

ちなみに私は乳糖不耐症であるにも関わらず、自家製ブリニとキャビア、ハーブ入りのクリームチーズとシャンパーニュに心奪われた夜でした。

 

グルマンディーズ
東京都港区西麻布3-17-23 プティコワン西麻布2F

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ  

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