
時差ぼけ対策に役立つ機内食の選び方
機内食と時差ぼけと腸の関係
ホーチミンからドーハ、リヨン、そしてブルゴーニュ、マルセイユ、モナコ、ニューヨークへと移動してきました。
各地での美味しい話はまた別の機会にするとして、今回は機内食について書きます。
私は普段、機内ではあまり食事をしないようにしています。
機内で食事をすると時差ぼけになりやすいと考えているからです。

時差ぼけに関連するホルモンにメラトニンがあります。
このメラトニンの元となるセロトニンは腸内で作られるため、腸の活動と時差ぼけは強く関連していると考えられています。
時差ぼけを避けるためには、着陸する先の時間帯に合わせて食事を摂ることが重要です。
しかし、機内では消化が悪くなりがちなので、食事は最低限に留めるのが良いでしょう。
飛行機内で消化が悪くなる理由は以下の通りです。
●気圧と酸素濃度の低下:機内では気圧が低く、酸素濃度も低下するため、消化器官への血液供給が減ります。
これにより、消化酵素の分泌やぜん動運動が低下します。
●長時間同じ姿勢でいること:長時間座ったままでいると、腸のぜん動運動が鈍くなり、消化が遅れます。
●ストレス:機内の騒音、振動、気圧などのストレスによって交感神経が高まり、腸の動きが悪くなる要因となります。
時差ぼけを和らげる機内食

このような理由から、スパイスの効いた食事は自律神経を整える観点でおすすめです。
辛い食べ物は、最終的に副交感神経が優位な(リラックスした)状態となり、腸の動きが良くなるからです。
つまり、時差ぼけになりやすいと感じる方は、機内でカレーを食べてみることをお勧めします。
ちなみに、今回食べたカタール航空のオマール海老料理は、ローランペリエ アレクサンドラロゼ2007と最高の組み合わせでした。

〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ


