

常識を超えたボルドーワインの挑戦
Club de 50の革新と伝統
Club de 50(クラブ・ドゥ・サンカント)は、日本でしか味わえない特別なワインです。
その常識破りな点は、世界最優秀ソムリエに選ばれた田崎真也氏が、ボルドーにある超一級シャトーのファーストワインとセカンドワインを“あえて”ブレンドして仕上げたということにあります。
ワインの魅力を語るとき、私たちはしばしば「渋味」「果実味」「酸味」「アルコール感」「余韻」という五つの味わうべきポイントがあります。
2000年を過ぎてからは醸造法のトレンドが変わり飲みやすくなりましたが、しかし、それ以前の一流ボルドーワインは、リリース直後はタンニンが強く、20年ほどの熟成を経てようやく味わいのピークに達すると言われていました。
こうした背景を踏まえ、田崎氏は若い樹のぶどうや完熟が足りなかった畑のぶどうから作る、いわゆるセカンドワインをブレンドすることで飲み頃を早めました。
これにより、ワインはより早く飲み頃を迎え、豊かな味わいを若いうちから楽しむことが可能となったのです。
さらに、このワインのラベルデザインは、日本のワイン界の巨匠であり、文化人としても知られる麹谷宏氏が手がけています。
日本で楽しめる限定ワインの味わいと新たな試み
こうしてできたワインを「遊び心」と言うのは簡単ですが、ボルドーのシャトーには何百年にもわたる歴史と威信があります。
各国の王族や実業家からなる社交界で愛されてきたワインに失敗は許されません。
そのような一級シャトーに日本人が考えた企画を「面白い」と思わせ、一樽分、つまり50名に分配することを実現させたのは、まさに大人の夢のようなワインです。
こうした限定ワインに対しては「転売されてしまうのではないか」という懸念もつきものですが、心配は不要です。
一つ一つの瓶にはシリアルナンバーが貼られており、紳士淑女が仲間内だけで楽しむために行き渡る仕組みになっています。フランス人と日本人がルールを大切にしつつも大胆な試みに踏み出した、記念碑のようなワインに酔いしれた夜でした。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ