食事由来アミノ酸の運命と機能 しょくじゆらいあみのさんのうんめいときのう
私たちの体を構成する成分のうち、体重の20%はタンパク質でできています。
タンパク質はアミノ酸が無数に結合した物質ですが、そのアミノ酸のうち体内で合成できない必須アミノ酸9種類は、食べ物などから食事由来のアミノ酸として摂取する必要があります。
もし、食事などから必須アミノ酸を一切摂る事ができなければ、体を構成するタンパク質が作られなくなり生命活動を維持する事はできません。つまり、食事からタンパク質を摂取することは命にも関わる重大な事なのです。
私たちは毎日の食事の中で肉や魚、大豆製品などからタンパク質を摂り、それを消化してその中に含まれる必須アミノ酸を吸収する事ではじめて体に必要なタンパク質を合成することができるのです。もちろん、その他のタンパク質の不足を補うという意味でも重要です。
また、私たちの体内にあるタンパク質は、毎日髪や爪が伸びたり皮膚が垢となって剥がれ落ちたりしているように、古くなったタンパク質が1日に約300~400gも失われています。
食事から摂取したタンパク質は、体の組織を作る材料となったり、酵素やホルモン、神経伝達物質の材料にもなったりするため、タンパク質が不足すれば体を維持するさまざまな機能が損なわれる恐れがあるのです。
また、筋肉の中にあるタンパク質は糖質(ブドウ糖)が不足した場合などに備えたエネルギーとしての役割も担っています。
このように食事から摂るタンパク質は、体を正常に機能させるために不可欠となるさまざまな役割を果たしています。私たちとアミノ酸とはまさに運命を共にしているといっても言い過ぎではないのです。