タンパク質の構造と機能 たんぱくしつのこうぞうときのう

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人間の体を作るためには10万種類ものタンパク質が必要となるため、体内にはさまざまな種類のタンパク質が存在します。アミノ酸だけが結びついた「単純タンパク質」、アミノ酸とアミノ酸以外の化合物が結合した「複合タンパク質」、酵素や酸により分解された「誘導タンパク質」などさまざまな種類のタンパク質などが存在します。また、体のそれぞれの部分で必要となるタンパク質は形状だけでなく機能も異なります。髪の毛や肌のコラーゲン、骨などを作る「構造タンパク質」、エネルギー源となる「貯蔵タンパク質」、酸素などを運搬する「輸送タンパク質」、すい臓で作られるインシュリンなどのホルモンもそれぞれが異なる機能を持つタンパク質でできています。

このように多種多様、多機能な性質を持つタンパク質は、種類の異なる無数のアミノ酸が平面状につながっているのではなく、立体的に結合した高分子構造をしていることも大きな特徴です。タンパク質の立体構造を支えるためにも、タンパク質同士の結びつきは強固かつ柔軟な構造となっているのです。

体内ではこうしたさまざまな種類のタンパク質が必要となり合成されていますが、どの部位でどのようなタンパク質が必要となり、どのような形に合成するかは細胞の核の中にある設計図、つまり「DNA」(デオキシリボ核酸)によって決められています。私たち人間の体は、遺伝子に組み込まれた緻密な設計図に基づき、材料となるアミノ酸が強固かつ柔軟に結びついたタンパク質の集まりによって構成されているといえるのです。

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