APOE遺伝子検査

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軽認知症の発症リスクを推定する検査です。

この検査の特徴

・自分の遺伝子型を調べることにより、認知症の発症リスクを推定する検査です。
・予防によりアルツハイマー病の発症を防ぐことや遅らせることができます。
・40歳を過ぎたら、認知症予防を視野に入れる必要があります。

内容の説明

認知症は65歳以上の10人に1人が発症しています。認知症の中で一番多いのがアルツハイマー病で、認知症の約6割を占めていまます。アルツハイマー病は進行性の脳疾患で、記憶および学習能力に影響し認知機能低下をもたらします。アルツハイマー病に代表される高齢者の認知機能低下に関与すると言われている重要な遺伝子の1つに、アポリポタンパク質E(ApoE)を作り出すAPOE遺伝子があります。APOE遺伝子検査は、APOE遺伝子の型を調べて、認知症の発症リスクを推定する検査です。

アポリポタンパク質Eはアミロイドβペプチドと結合して、その蓄積や大きな塊となる物質の一つといわれ一つといわれています。このときの作用の強さはAPOE遺伝子型によって異なると考えられています。APOE遺伝子型には“APOE2”(イプシロン2)“APOE3”(イプシロン3)“APOE4”(イプシロン4)があり、APOE遺伝子型イプシロン4を多く持つほど、APOE遺伝子型イプシロン4を持たない人と比べてアルツハイマー病等のリスクが高まるといわれています。イプシロン4の有無とアルツハイマー病発症の関係を調べると、イプシロン4を全く持たない遺伝子型に対して、イプシロン4を1つないしは2つ持っている遺伝子型のアルツハイマー病発症リスクは、3倍から12倍高くなるといわれています。

なお、APOE遺伝子型にイプシロン4を持つことにより、必ずしもアルツハイマー病を発症するわけではありません。また、生活習慣の改善や脳のトレーニングなど適切な予防をおこなえば、アルツハイマー病の発症を防ぐことや遅らせることができることが最近の研究で分かっています。アルツハイマー病の根本治療薬はまだありません。アポリポタンパク質Eは、発症の25年ほど前から脳内に蓄積を始めるといわれていますので、40歳を過ぎたら認知症予防を視野にいれたライフスタイルを送ることが重要となります。自分の持っているAPOE遺伝子型を調べ、若いうちからアルツハイマー病の予防へとつなげていくことが大切です。

この検査は採血によりおこなわれます。結果は2-3週間後。

おすすめポイント

・高齢者の認知機能低下に関与する遺伝子型を調べます。
・採血のみの検査です。
・生活習慣の改善や予防で、アルツハイマー病の発症を防ぐことができます

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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