イシペディア > 食事学と医療の大辞典 > タブーに挑む!? 21世紀の最強健康管理学 > 黄色のワインを飲みながら酸化の是非について考える

黄色のワインを飲みながら酸化の是非について考える

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

黄色いワインと酸化の概念

お気に入りのバーで、ジュラ地方のワインをマニアックな中華料理と合わせていただきました。漫画『神の雫』でも紹介されていたように、ジュラのワイン、特にヴァン・ジョーヌ(フランス語で「黄色いワイン」の意)は、紹興酒のような独特の雰囲気を持っています。

人間にとってもワインにとっても、酸化は悪者と見なされがちです。しかし、ヴァン・ジョーヌはあえて空気に触れさせることで、ワインの表面にできた膜の下で酸化熟成を進めます。こうして醸造されたワインからは、アニスやシナモンのようなエキゾチックな香りが漂い、アヒルの水かきを使った料理と絶妙に調和していました。

酸化の新たな視点:ホルミシス効果

アヒルの水かきは、見た目に多少の驚きがあるかもしれませんが、その先には桃源郷のような美味しさが待っています。滋味深い旨味はもちろん、の足や足よりも上品な食感が特徴で、私のお気に入りです。

ところで、身体に酸化を引き起こす物質は、量が多いと悪影響を及ぼしますが、微量であればかえって良い反応を引き出すことがあるという「ホルミシス効果」という考え方があります例えば、適度な有酸素運動やラジウム温泉も、この考えに基づくものです

そんなことを考えながら、親友と楽しいひとときを過ごした夜でした。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ  

この記事を書いた人

関連するカテゴリ

関連する記事はこちら