タンパク質の生合成  たんぱくしつのせいごうせい

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私たちの体の中では1日に体重1kgあたり約3gのタンパク質が合成されています。食べ物から摂取したタンパク質や体内に貯蔵されているタンパク質は常に分解・再合成され、体に必要なさまざまなタンパク質を作り出しています。これをタンパク質の生合成といいます。

分かりやすくいえば、固形のチョコレートを一度溶かして液状にして新しい型に入れ、別の形(あるいは同じ形)のチョコレートを作る作業のようなものです。固形のチョコレートはタンパク質で、液状のものはアミノ酸です。古くなったチョコレートは材料を入れ替え、新しいチョコレートに生まれ変わります。

タンパク質が生合成されるには、新しく作ろうとするタンパク質の設計図が必要になります。これは細胞の核の中にあるDNAの情報を新しい細胞に写して同じものを作ります。これを転写といいます。

設計図となるDNA(デオキシリボ核酸)は同じ情報が書き込まれた2重らせんの構造になっているため、それをほどいてそれぞれの情報をコピーして全く同じタンパク質を作ります。このコピーにあたる作業を翻訳といい、この時、情報の橋渡しをするのがmRNA(メッセンジャーリボ核酸)やtRNA(トランスファーリボ核酸)などDNAの情報伝達をサポートする物質です。

細胞内にはリボゾームというタンパク質の合成装置のようなものがあり、リボゾームにDNAの情報を入れるとtRNAmRNAなどの働きによりタンパク質が転写、翻訳され同じ性質や形状をしたもう一つのタンパク質が合成されます。この作業を繰り返して、巨大な分子構造のタンパク質を複製しならがら生成していくのです。

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