ビタミンとは びたみんとは

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ビタミンは、三大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質の代謝を助け、生命を維持するための生理作用に不可欠な有機化合物です。ビタミンは体内ではほとんど生合成ができないため、食品などから栄養素として摂取することが必要です。

ビタミンは三大栄養素のようにエネルギーになることもなく、体の構成成分にもなりません。しかし、体の機能を正常に維持するために不可欠な栄養素です。ビタミンの多くは、消化・吸収・燃焼・排泄とよばれる反応がスムーズに働くようにサポートする補酵素(ほこうそ)として働きます。補酵素とは、酵素が活性を発揮するための補助剤のことで、自動車を動かすエンジンの潤滑油のような役割を果たしています。その他にも、ビタミンは、皮膚などの粘膜や、血管、骨などの健康を保ち、新陳代謝を助ける働きをします。

ビタミンの必要量はとても少ないのですが、体の中ではほとんど作ることができません。また、ビタミンは大半が体に蓄えておくことができないので、定期的に摂取する必要があります。ビタミンが欠乏すると、それを必要とする酵素が欠乏して三大栄養素の変換がうまくいかず、体にさまざまな影響が出てきます。普通の食事をしていれば問題ありませんが、偏食を続けたり同じものばかり食べたりしているとビタミン不足による障害が発生しますので、食事からこまめに摂取する必要があります。

このようなことから、ビタミンは、「ヒトの体内では生成されず、体外から摂取する必要のある栄養素であり、生体が正常な発育と栄養をたもつうえで欠かすことのできない特殊な有機化合物であり、微量で正常な生理機能を調節する」と定義することができます。

ビタミン発見の歴史

食生活が豊かになった現代では、ビタミン不足はそれほど心配する必要はありませんが、過去にはビタミン不足により多くの人が悩まされてきました。これらを研究する過程でビタミンが発見され、注目されてきました。15世紀から17世紀の大航海時代には、船員の多くが壊血病で亡くなりました。イギリスの海軍軍医であったジェームズ・リンドは、兵士たちを相手に実験を行い、オレンジやレモンなどの柑橘系の果物が壊血病を予防することをつきとめました。また、19世紀には、オランダの医学者であるクリスチアーン・エイクマンが米糠の中に脚気を防ぐ有効成分があることを発見しました。

ビタミンの種類

ビタミンには13種類あり、発見された順にABCなどアルファベットでつけられ、その後ビタミンBには種々のビタミンが含まれていることが分かり(B₁、B₂、ナイアシン、B₆、B₁₂、パントテン酸、ビオチン)、それぞれB₁、B₂などと区別され、その総称でビタミンB群と呼ばれるようになりました。

さらに、ビタミンは水に溶けない脂溶性ビタミンと、水に溶ける水溶性ビタミンの2種類に大きく分けられます。脂溶性ビタミンには、ビタミンADEKがあります。脂溶性ビタミンは脂肪(脂質)に溶け、脂質と一緒に肝臓や肝臓組織に貯蔵することができますが、必要以上に摂りすぎると肝臓に貯蔵されて過剰症をおこすことがあります。

水溶性ビタミンには、ビタミンB群とCがあります。水溶性ビタミンは、体内で水に溶けた状態で存在します。非常に水に溶けやすく代謝速度が速いため、体内に貯蔵できる日数が脂溶性ビタミンに比べて少なく、尿中に排泄されるので過剰症は起こりません。その代わり、不足しないようにこまめに摂取することが必要です。

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