ビタミンC  びたみんしー

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ビタミンCとは、体の細胞と細胞を結合させるタンパク質の生成に不可欠な栄養素です。そのため、皮膚や粘膜を正常に保つために必要であり、美容のために大切だと言われています。ビタミンCには抵抗力を高める働きもあり、抗酸化作用もあります。寒さ・暑さや、疲労、精神的な苦痛、睡眠不足などに晒される現代人にとって、必要不可欠な栄養素であると言えるでしょう。抗酸化作用によって体の老化をいくぶんかは抑制することができるため、動脈硬化や心筋梗塞などの疾患の予防にも効果が期待できます。細胞の酸化的損傷はがんの原因にもなるため、ビタミンCの抗酸化作用は発がんを抑制するとも言えるでしょう。また、鉄分の吸収をサポートする働きを持っているので、貧血の人にとっては、鉄分を摂取する際には合わせて取り入れたい栄養素です。

このようにビタミンCには私たちの体にとって良い効果をもたらしてくれる栄養素ですが、一度にたくさんの量を摂取してもあまり意味はありません。過剰な摂取によって吸収率が低下し、余剰分は尿とともに体外へと排出されてしまいます。過剰に摂取することによる有害な事象は滅多に見られません。しかし、分解・吸収の際には腎臓が働くため、過剰な量を摂取すると、それだけ腎臓に負担をかけることになります。腎機能に何かしらの問題を抱えている人の場合、腎結石が形成される危険性が高まることになるので、摂取量には注意が必要です。

ビタミンCが不足すると何が起きるのでしょうか。ビタミンC不足の弊害としてまずは、体の抵抗力が下がってしまうため病気にかかりやすくなる、ということが挙げられます。ビタミンCの欠乏は古くから「壊血病」という名前で呼ばれています。18世紀末頃までは、長期間の航海に従事する船員たちの多くが、航海中にビタミンCをほとんど、または全く摂取することがなかったため、壊血病に罹患し、それによって死亡したりしていました。ビタミンC不足によって細胞同士をつなけるタンパク質が生成できなくなると、細胞間にゆるみが生じます。すると、それらの細胞が構成している血管や関節といった組織が弱くなり、歯茎などが出血を起こしたり関節痛が起こったりします。また、喫煙者の場合はたばこを吸うことにより、非喫煙者よりも体の酸化度合いが高まっています。したがって非喫煙者よりもビタミンCの必要量が多くなるので、ビタミンC不足になりやすいと言われています。

ビタミンCが多く含まれている食品は、果物類、特にみかんやレモン、文旦といった柑橘類やイチゴ、イモ類などが挙げられます。ビタミンCは水溶性ビタミンであり、また熱に弱いため、できるだけ新鮮な状態の生のままの食品で摂取することが望ましいでしょう。洗いすぎ・茹ですぎに注意してください。

ビタミンCの1日の目安摂取量は、成人の場合で約60mg、食品に換算すると、オレンジ中サイズ1個、グレープフルーツジュース150ml、緑ピーマン生1/2カップなどです。

喫煙者の場合は、この目安摂取量より35mg多く摂取することが望ましいとされています。

最近は、様々なビタミンCサプリメントが販売されており、手軽に必要な量のビタミンCを摂取することができるようになっています。チュアブルタイプの錠剤やゼリー状など形状も様々です。毎回の食事から摂取できるのがベストですが、忙しい毎日の中で適切な量のビタミンCを毎食摂取することは難しいかもしれません。そのような時にはサプリメント類に頼るのも一つの方法でしょう。栄養素の過不足は一朝一夕に影響が出るものではありませんが、未来の健康のためにも、少しずつ意識したいものです。

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