
五感がもたらす美味しさの寄与度
五感がもたらす美味しさの寄与度
この時期は、白トリュフとワインをいただく機会が多くあります。
こちらの写真は、広尾「ひらまつ」の山鳩と白トリュフ。

そして三つ星中華「茶禅華」の上海蟹リゾットに添えられた白トリュフです。
通い慣れたレストランであっても、素晴らしいワインや白トリュフが加わると、美味しさや感動は倍増します。
(その代わり、お会計も倍増どころか3倍になったりすることもございます笑)
今回は、美味しさにおける五感の寄与度について考察してみました。
1位:嗅覚(55〜70%)
鼻をつまんで食べると、世界は「甘いか、塩辛いか」という二次元的な感覚のみになってしまいます。
その理由は美味しさの核は、揮発性分子が脳内で翻訳される情報だからです。
コーヒーの深み、ワインの余韻、出汁の美しさなどは、すべて香りが脳内で情報処理されることで成立しています。
香りの良いものはワインであれ、トリュフであれ、香水であれ、高価になることを考えれば、人間の感動の強い部分が嗅覚にあるのは想像に難くありません。
2位:味覚(20〜30%)
味覚は「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つに限られます。
ここが「旨味」という概念を生み、食文化を形作ってきました。
3位:視覚(10〜20%)
色、光、盛り付け、湯気の立ち上がりなどです。
テレビでよく「これ絶対おいしい」というのは、これらが視覚野を通じて期待値を高めているためです。
4位:触覚・食感(5〜10%)
日本料理は“食感の国”。
日本人は「パリパリ」「とろり」「もっちり」といった食感の差分に非常に敏感です。
5位:聴覚(1〜3%)
天ぷらの揚がる音やワイングラスの響きなどが、微細ながら美味しさに寄与しています。
料理芸術をつくる五感のデザイン
私自身、レストランの運営を始めてから、このような要素をロジカルに考えるようになりました。
この五感のバランスを自身のレストランでどのように表現していくのか、日々研鑽を続けることこそが料理芸術であると考えています。
来年、私のレストラン「FAM」は新しく生まれ変わる予定です。
また改めてご報告させていただきます。

〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ


