香港の活気が生み出すパワー

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熱気に満ちた市場の食堂

昨年末、デモで揺れていた香港へ仕事で訪れた際、知人に下町情緒あふれる海鮮市場の二階にある食堂へ連れて行ってもらいました。

一階はひっそりとしていたのに、体育館3個分はありそうな食堂は、まるで喧嘩しているかのように人々が話し合う活気に満ちたカオスな空間。

その熱気にも負けない大声で呼び込みをするおばさんの勢いに圧倒されながらいただいた火鍋は、生きたままの海老が具材の山に突き刺さっているという、驚くほどアグレッシブな一品でした。

活力が湧く火鍋

辛い「麻辣(マーラー)とコクのある白湯(パイタン)」の二色の薬膳スープに、豚肉鶏肉、タラ、イカ団子、キノコなどがたくさん入った、いかにも香港らしい混在した具材は、不思議と生命力が感じられ、体の中から力が湧いてくるようでした。

しかし、今思えば、私に力をくれたのは火鍋そのものよりも、周りにあふれる人々の活気とエネルギーだったのかもしれません。

あの頃はデモ対策でマスク着用が禁止されていた香港が、今ではウイルス対策のためにマスクが必須となっているのは、なんとも皮肉な状況です。

一日も早く、あの場所に再びエネルギッシュな喧騒が戻ることを心から願っています。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ  

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