
ピエール語録|No.1 祈りはビタミンD濃度で再設計する
祇園祭にみる現代の「無病息災」の再定義
先日、祇園祭へ参列いたしました。
疫病退散・無病息災を願う、本来の意味を感じながら山鉾を曳かせていただきました。
街に響くお囃子、提灯の灯り、祈りと熱気が混ざり合う京都の夏は、溶けそうなほどの暑さですが、やはり特別な空気があります。
ちなみに、このお食事は、青蓮院門跡前の月おかさんと、祇園又吉さんのお料理です。
古くは疫病退散を祈願していましたが、現代の「無病息災」とは何でしょうか。
ウイルス、免疫低下、慢性疲労、うつ、がん。
これらすべてに超濃密に関わっている栄養素がビタミンDです。

不足がちなビタミンDの科学的データから見る重要性
現代医療において、ビタミンD濃度が高いと何が起きるか以下にまとめました。
- 風邪やインフルエンザにかかりにくくなる。
- 新型コロナウイルスの重症化リスクも下げる。
- 自己免疫疾患の予防(関節リウマチ、1型糖尿病など)
- 認知機能やうつ症状の改善にも関与。
- がんリスクを下げる可能性も指摘されています(特に大腸・乳がん)
ビタミンD生成に不可欠な日光浴についても、目安があります。
目安:週に2〜3回、1回あたり15〜30分程度
顔と腕を出す程度で十分です。ただし、日焼け止めを塗るとビタミンDの生成はゼロになる点に注意が必要です。
時間帯:朝10時から14時の間
ビタミンDが本当に足りているかどうかは、血液検査でしか確認できません。
日本人の多くは血中濃度が20ng/mL以下の「不足レベル」にあり、理想は40〜60ng/mLです。
日光が足りない場合、サプリメントで補うことも立派な「予防」です。
鮭、卵黄、干ししいたけなど食品にも含まれますが、量が不十分な上にビタミンD2であるため、効率が良くありません。
サプリメントで1000〜2000IU/日を摂取することが現実的です。ピエールは治療目的で採血データを見ながら5000IUくらい処方することもあります。
したがって、今日の結論は 「日光とつながっている身体」こそ、新しい無病息災のかたちである、ということです。
今日の診断名:ビタミンD欠乏性無病息災障害
処方:陽ざし15分 または ビタミンD 2000IU

〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ


