水分と電解質のバランスについて すいぶんとでんかいしつのバランス
成人男性の体構成成分は、体重当たりの割合で大きい順に、水(約60%)、たんぱく質(約 20%)、脂質(約15%)、ミネラル(約5%)、糖質(約1%)となります。
成人女性の場合、体脂肪が多いため、水は約55%と少なくなります。なぜなら脂肪組織に含まれる水分量は、他の組織よりも少ないからです。
言い換えると、太っている人は体重当たりの水分量が少ないことになります。
水分出納
水分出納とは、体の摂取水分量と排出水分量のバランスを示すものです。
口から摂取した水分は、体内でどのような処理をされ、どれくらい体外に出ていくのかを考えてみます。健康な人の水分変動は小さく、体内の水分量は一定に保たれ、摂取したのと同じ量の水分を排出しています。例えば、たくさん水分を摂れば、その分、排出される量も増えるというように調節されているのです。個人や日によって変化がありますが、1日当たりの水分出納は通常2100~ 3000mlです。
電解質のバランス
電解質というのは、プラスイオンとマイナスイオンに分かれることで、通常通ることのできない液体に電気を通させる物質のことです。体内には、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、マグネシウムイオン(Mg²+)、カルシウムイオン(Ca²‐)などのプラスイオンや、塩化物イオン(Cl-)、水酸化物イオン(OH-)、炭酸水素イオン(HC0³–)、 リン酸二水素イオン(HP0₄²-)、 たんぱくイオンなどのマイナスイオンがあります。
水も電解質も腎臓で調整され、不要な分は尿として排せつ、必要な分は再び体内で利用されるために再吸収されます。ちなみに、ナトリウムイオン(Na+)は、ほとんど体内に再吸収されずに外に排泄されてしまうため、食事でどれくらい塩分を摂取したかを判断するときは、1日(24時間)かけて尿を採取すると、塩分摂取量をほぼ正確に把握することができます。