糖質の場合 とうしつのばあい
糖質の場合
呼吸商(RQ, respiratory quotient)とは、一定時間に生体内で栄養素が分解されてエネルギーに変換するまでの酸素消費量に対する二酸化炭素排出量の体積の比のことです。
呼吸商の値は栄養素ごとに一定の値であり、この数値から、体内でどのような割合で栄養素が燃焼しているのかを知ることができます。
呼吸商
= (単位時間当たりの二酸化炭素排出量 ) ÷ (単位時間当たりの酸素消費量)
例えば糖質の場合、糖質はブドウ糖(化学式:C6H12O6)という最小単位に変換できます。この時、ブドウ糖の燃焼する化学反応を考えれば、糖質に関する呼吸商を知ることができます。ブドウ糖の化学反応式は次のようになります。
C6H12O6+6O2(ブドウ糖) → 6CO2(二酸化炭素)+ 6H2O(水) + エネルギー
上の化学反応式をよく見ると、炭素と酸素の数がそれぞれ6つで同じなので、消費する酸素と排出される二酸化炭素の量は等しくなります。この時、糖質の呼吸商は
(糖質の呼吸商) = 6CO2 ÷ 6O2
= 1.0
となります。
また、呼吸商に対して、酸素1単位当たりに発生するエネルギーの量がすでに分かっているため、これらの値を用いれば、上の反応でどの程度のエネルギーが得られるのかも求めることができます。したがって、糖質の燃焼によって得られるエネルギーは29.7J/gとなります。(J=ジュール、エネルギーの単位の一種) これはカロリーに換算すると、4kcal/gであり、脂質の産生エネルギーと比べると約半分のエネルギーです。
普段の軽い運動程度では、糖質と脂質が同程度使われるますが、激しい運動をすると、糖質が中心に利用されます。強度の高い運動を続けて、疲れ切ってしまうほど追い込むようなトレーニングをする時などは、エネルギー源は糖質の燃焼が100%になります。