小腸 (空腸・回腸) しょうちょう

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小腸の長さは67mほどで、からだの中で最も長い臓器です。小腸は胃に近い方から十二指腸、空腸(くうちょう)、そして回腸(かいちょう)に分けられ、消化吸収の約90%が小腸で行われます。一般的に小腸は空腸と回腸のことを指しています。十二指腸側の5分の2を空腸、残り5分の3を回腸と言います。

空腸で大部分の栄養素、ビタミン、ミネラルなどが吸収され、回腸では空腸で吸収されなかった栄養素が吸収されます。

小腸の役割

小腸の役割には主に二つあります。

一つ目は栄養吸収で、胃や十二指腸で消化された食べ物をさらに分解し、栄養素を吸収します。

小腸の最も内側の粘膜には、輪状ヒダと呼ばれるヒダが連なり、その表面には腸絨毛(ちょうじゅうもう)がびっしりと無数に生えています。すべての絨毛を合計した表面積はテニスコート一面分にもなります。この大きな絨毛の表面積により、多くの栄養を効率よく吸収できるようになっています。腸絨毛はからだに必要な物質をほぼ全て吸収し、水、ミネラル糖、ビタミン、アミノ酸などが絨毛を通って腸の中の血管へと取り込まれています。

二つ目は免疫機能です。小腸には素晴らしい免疫システムがあり、栄養を吸収するときに体に良いものと悪いものを分別しています。このシステムにより、体にいいものは吸収し、悪いものは排出することができます。体中の免疫細胞の60%以上が小腸にあり、病原菌を攻撃する抗体の約60%を作っていると言われています。ですから、小腸は、からだの最大の免疫器官と呼ばれます。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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