プリンヌクレオチドの代謝  ぷりんぬくれおちどのたいしゃ

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プリンヌクレオチドとピリミジンヌクレオチドは、等しいモル量となるよう調整しながら合成されます。 
食事から摂取したプリン塩基は核酸合成にはほとんど用いられず、腸管粘膜の分解酵素によって尿酸となり、腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。

プリンヌクレオチドの合成と分解

合成

・プリンヌクレオチド新生経路(デノボ経路)の出発物質は、糖代謝系のペントースリン酸回路中間体のリボース5-リン酸です。
・リボース5-リン酸にピロリン酸がついたホスホリボシルピロリン酸(PRPP)を土台にプリン塩基であるヒポキサンチンが構築されます。
・プリンヌクレオチド新生経路では、まずイノシン酸(IMP)が合成されます
・IMPは他のプリンヌクレオチドであるアデニル酸(AMP)やグアニル酸(GMP)へ変換されます。
・ヒポキサンチンを構成する窒素原子や炭素分子の供給源として、グルタミンのアミノ基、グリシン、葉酸誘導体、炭酸(HCO)、アスパラギン酸のアミノ基があげられます。
・新生経路の11種の酵素のうち、初発の2種の酵素(PRPP合成酵素とアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ)は新生経路の律速段階です
・新生経路はフィードバック阻害やフィードワード促進により調節されます。
・IMPからアデニロコハク酸を経てAMPへ変換されます
・IMPからキサンチル酸(XMP)を経てGMPが合成されます。
・IMPからAMP合成はGTPが基質となり促進し、AMPが抑制します。IMPからのGMP合成はATPを基質として要求し、GMPが阻害します。
・GTPとATPがたすきをかけるように相互のプリンヌクレオチド合成を促進することは、2種類のプリンヌクレオチドの合成バランスを図るしくみと考えられます。
・すでに存在する塩基をPRPPに結合する再利用経路(サルベージ経路)は、細胞内の核酸分解で遊離した塩基からプリンヌクレオチドを合成します。
・核酸の合成、分解に使われるプリン体は肝臓で合成されます。 

分解

・IMPは5-ヌクレオチダーゼによって水解され、イノシンとリン酸になります。
・イノシンは加リン酸分解され、ヒポキサンチンとなります。
・ヒポキサンチンはキサンチン脱水素酵素によりキサンチンを経て尿酸となります。またサルベージ経路(再利用)を通ると、IMPとなり、AMPやGMPを合成します。
・人では尿酸が最終代謝産物として、約3/4が腎臓、約1/4が腸管から排泄されます。異化されてできた尿酸はそれ以上分解できないので、プリンの過剰は痛風(尿酸ナトリウムの析出)の原因となります。

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