核酸代謝 かくさんたいしゃ

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核酸の代謝

核酸は、食物として口から入っていきますが、胃を通過するときに胃酸によって、DNAやRNAはヌクレオチドまで分解されるだけでなく、さらに糖とリン酸、塩基に分解されます。
塩基は酸性に対して弱いので、ヌクレオチドや塩基の形で小腸から吸収されるものはほとんどありません。
そのため生体内に必要な核酸のほとんどは、生体内で他の栄養物質から生合成して、供給しています。
また20歳を過ぎると体内で核酸を合成する能力が衰えていきます。

プリンやピリミジン部分がいくつかの前駆物質から組み立てられ、3成分(糖、リン酸基、塩基)のヌクレオチドから作られる過程(生合成)と、ヌクレオチドが細かく分解されて排泄される(一部は代謝燃料になる)過程(異化)とからなっています。

核酸の基本単位であるヌクレオチドは、生体内でデノボ(de novo)合成およびサルベージ(salvage)合成によって生成されます。 

デノボ合成

de novoとは「元から」の意味で、プリンヌクレオチドを他の栄養素から元から作っていく経路です。またATPの消費量が多いという特徴があります。デノボ合成のほうがサルベージ合成よりも占める割合が多いです。

サルベージ合成

食事から吸収または肝臓で核酸から分解生成されたヌクレオシド(ヌクレオチドからリン酸がとれたもの)、塩基を再利用してヌクレオチドを合成することです。ATPの消費量は少なくてすむという利点があります。リボヌクレオチドの使用頻度の高い臓器(脳や肝臓)はサルベージ合成が行われています。

※核酸を摂取することは、サルベージ合成を活発にすることであり、そのことで細胞の活性を高めることになります。

核酸の素材であるリボース5-リン酸はグルコースからペントースリン酸経路を経て合成されます。リボース5-リン酸にリン酸基が2個ついたPRPP(5-ホスホリボシル1-ピロリン酸)が糖+リン酸基の前駆体です。

また核酸合成にはビタミンB群の1種である葉酸が必要です。そのため葉酸が欠乏すると核酸の合成ができなくなるため、核が分裂して新しい細胞に増殖することができなくなります。分裂できない細胞は、成熟が進んで大きくなり、最後は死滅してしまいます。その結果、1つ1つの赤血球細胞のサイズは大きくなりますが、全体の赤血球数は減る大球性貧血を引き起こします。

DNAの代謝

複製、組み換え、修復があります。
複製(生合成)は短時間に大量の情報を、誤りを校正しながら、1回につき1分子だけ行われます。
組み換え(情報の入換え)と修復(損なわれた情報の復元)はDNAに特有の代謝です。

RNAの代謝

転写とプロセシングがあります。
転写(生合成)されたRNAから、情報部分を切り出してつなぎ合わせる、化学修復を施すなどの過程がプロセシングです。

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