旋尾線虫 せんびせんちゅう

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特徴

茶褐色です。幼虫は体調5~10mm、体幅74~110マイクロメートルと糸くずのように細長いため、肉眼では見つけにくいです。頭部両側に三角形状に突出した口唇をもち、尾端には2個の球状突起があります。ホタルイカの胃と腸に寄生しています。ホタルイカでの寄生率は2~7%です。中間宿主であるホタルイカ以外にもスケトウダラ、ハタハタ、スルメイカの内臓にも存在しています。終宿主ははっきりとわかっていませんが、海の哺乳類か鳥類と考えられています。最近発見されたばかりなので、学名は未だ決められていません。高温に弱いです。腸管壁以外にも、腹、背、腰部の皮膚組織内へ移行します。ホタルイカの漁期は3~8月で4~5月に多く発生します。

※マイクロメートル(μm)
1μm=1/1000mm

原因食品

ホタルイカを内臓ごと喫食、刺身、踊り食いなど新しい食習慣により発生しています。

主な症状と潜伏期間

ホタルイカの生喫食後。
1~4週間で皮膚爬行症(ひふはこうしょう)を引き起こします。虫体が真皮の比較的浅いところを移行するため、水疱をつくることがあります。治療方法は虫体の摘出です。
数時間~2日程度で、腹部膨満感、腹痛が現れ、腸閉塞症を起こす急性腹症型の症状が現れます。治療方法は急性腹症であれば対症療法です。腹痛の持続期間は2~10日で嘔気、嘔吐を伴うことが多いです。

※腸閉塞とは異物や炎症、腫瘍などによって腸管が塞がれた状態のことです

※皮膚爬行症とは曲がった糸のような盛り上がった赤褐色の発疹とすて皮膚に現れます。強いかゆみをともないます。線上の皮疹は1日2~7cm伸長します

予防方法

・生食は控えます。
・釜茹でなどの加工食品を利用します。
・食材の中心温度を70℃以上にすると死滅します。(沸騰水では30秒以上)
・-30℃の冷凍で、4日間以上で死滅します。
・-35℃(中心温度)では15時間以上、-40℃で40分以上凍結処理されたホタルイカはそのまま食べても安全です。
・内臓除去が予防になりますが、内臓除去後も胴部や前腕部からも幼虫が検出される場合があるので、注意が必要です。(内臓摘出時に付着する可能性があります)

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