肝吸虫 かんきゅうちゅう

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

特徴

肝臓に寄生する吸虫のことです。第二中間宿主はコイ科魚類の約30種類でタナゴ、モロコ、コイ、フナなどです。被嚢幼虫は摂食後、小腸上部で脱嚢し脱嚢幼虫が直接胆管に侵入し寄生します。細い肝内胆管へ移行し、約1ヶ月で成虫になり、20年以上生息することがあります。3~4週間でへら状の成虫(10~20×3~4mm)に成長します。
極東、特に朝鮮半島、日本、台湾、および中国南部で流行しており、他の地域でも移民や流行地域からの輸入魚を摂食した人から感染します。虫卵は便中に排出されて巻貝に摂取されます。感染した巻貝から放出され様々な淡水魚に感染します。

感染経路

コイ科魚類の生食もしくは調理の過程で被嚢幼虫が食物や食器へと付着し、人に感染します。

虫卵はマメタニシ(第一中間宿主)に食べられ、体内で発育し、マメタニシから遊出し、モツゴなど(第二中間宿主)の皮膚から侵入します。筋肉内で成長していきます。第二中間宿主であるコイ科の魚、いわゆる感染魚を人が喫食することで、感染し、胆管に寄生します。

最終的には糞便とともに虫卵は排出されまたマメタニシに食べられるという一連のサイクルが繰り替えされます。

原因食品

淡水魚(コイやフナなど)の生食や加熱不十分の喫食です。
乾燥や塩漬け、酢漬けなどの処理をした料理の喫食です。
肝吸虫が付着した淡水魚の下処理の際に、調理器具類や他の食材の付着による二次汚染によって感染します。

主な症状と潜伏期間

軽症の場合はほとんどが無症状です。
多数寄生の場合は発熱、悪寒、腹部の圧迫感、膨満感、食欲不振、下痢、胆管周囲炎、黄疸、肝臓肥大、肝硬変をきたし、また腹水の貯留をみることもあります。
合併症には化膿性胆管炎、胆石症、膵炎および疾患後期の胆管癌などがあります。
治療方法は駆除剤を服薬することで完全治療ができます。
診断基準は便や十二指腸の内容物に虫卵の確認です。

予防方法

・予防がとても大切です。
・被嚢幼虫は酢、ワインなどの調味料などでは死滅しません。
・感染している魚の生食(刺身、あらい、ぬたなど)を避けます。
・調理時のウロコ取りの際、飛び散らないように気をつけます。
・冷凍すると被嚢幼虫は死滅します。
・流行地域の河川や湖の淡水魚は十分に加熱調理をして喫食します。

関連するカテゴリ

関連する記事はこちら