有鉤条虫 ゆうこうじょうちゅう

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特徴

・嚢中は体長約6~22×5~10mmの大豆位の大きさ、成虫は2〜3mと大型の条虫です
・汚染された豚肉の摂取により感染します
・成虫による腸管感染症です
・摂取後、約2ヶ月で成虫に成熟します
・豚やイノシシ寄生し、筋肉などに嚢虫をつくります。ただし日本産豚には嚢虫寄生はみられません。感染者の多くは国外で感染します。
・嚢虫は加熱によって死滅しますが、不完全な加熱調理では感染が起きます
・有鉤条虫は脳をはじめ体の各所に嚢虫を形成することがあります
・近年、日本では有鉤条虫の報告例はないです
・中央アジア、東南アジア、中国大陸、朝鮮半島、ロシア、東欧、アフリカ諸国、メキシコ以南の中南米諸国に比較的多くの患者が存在します
・中間宿主が主に豚ですが牛、いのしし、ひつじ、鹿、牛にも寄生します。終宿主は人です

感染経路

2つあります
①有鉤条虫(成虫)感染者の小腸内で虫卵が放出され、孵化した幼虫が血管、リンパを通って全身に移行し、そこで嚢虫に発育する自家感染です
②有鉤条虫患者が排泄した虫卵によって汚染された飲食物を摂取して感染します

原因食品

・豚肉の生食や加熱不十分な食品です
・虫卵に汚染された食べ物や水です

主な症状と潜伏期間

・腹痛、下痢などの消化器障害を引き起こします
・脳に嚢虫ができると、心臓障害やてんかん様発作を起こし、大変危険です
・脳に寄生すると致死率は60~90%です
・腸管内に有鉤条虫の成虫が寄生しているため便中で虫卵または肩節が認められるのは、全体の半数未満です
・成虫は服薬により駆虫できます
・片節が排出される際に不快感、下痢、軽度の腹痛、食欲不振などの症状があります

予防方法

・豚肉の生食や加熱不十分なままの喫食は避けます
・中心部まで十分加熱(最低でも63℃30分間以上または75℃1分間以上)します
・調理器具類はその都度、洗浄、消毒を行います
・豚肉をマイナス5℃で4日間、マイナス15℃で3日間、マイナス24℃では1日冷凍すれば、嚢中を死滅させることができます
・海外流行地では生水、生野菜の飲食を避けます

・生肉を触ったら、良く手を洗います

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